施設の父(91)の面会に行きました。
秋にやっとやっと解禁された面会は平日のみ。
この年末からは週末も面会できるようになった。
都内で働く息子もなんとか都合つけて行けた。
週末は岩手も寒波が襲来。
一晩で雪国になった実家地方。
前の日はこんなにいいお天気で雪の気配もなし。
夜のうちに雪が降って。
あらら。
太平洋側は降らないかなとの予想に反して降雪。
父とは9月末の「父の口座解約のための外出」で会った。
車椅子で連れてこられた父はまあまあ思ったよりは元気だったけど。
10月。ケータイ出なくなる。
寝てることが多くなった?
起きて鳴ってても聞こえない?
聞こえても出方忘れてる?
11月。何回コールしても出ない。
施設に電話してスタッフさんに父のケータイからかけてもらう。
「ああ。ねえちゃんか」と私のことはわかったものの、たいした会話はできず。
「痛いところない?」
「食べてる?」
「寝られてる?」そんな一問一答。
9月くらいまでは「何を食べたか?」聞くとちゃんと答えられた。
孫たちの様子も楽しそうに聞いてたのに。
12月に入ってからは「どうせ電話しても出ない」と呼び出し音が続くだけの電話をかけるのが悲しくなりかけなくなっていた。
父と私と妹。
「クリスマスツリーだね」「・・・ああ」。
「見えてる?」「ううん。なんだかね」。
「私だれだかわかる?」「・・ああ」。
わかってないっぽかった。
息子とじいちゃん。
「だれかわかる?」「・・ううん。だれだかなあ」。
息子とは1年前会ったきり。
仕事忙しいし平日の面会に東京から行くのはムリ。
なんとか日程合わせてやっと面会が実現したものの。
・・・遅かったか。覚えてないか
父にとってはいちばん自分に似ていて会いたいかわいい孫。
ずっと「どうしてる?元気か?」と気にかけてて、GWのころは「会いたいなあ」と言ってたのに。
私もずっと会わせたかったのに。
帰りがけにスタッフさんにお願いする。
「ケータイ、鳴ってても出ないのでマナーになってるか音量低いかみてもらえますか?」。
それを聞いてた息子、あとで私に
「ムリだよ。電話鳴っててもうまく出られる状態じゃないよ」。
・・・ああーーー。
そうだよな。
そうなんだろうな。
息子に客観的に指摘されて初めて気づく。
私は「父がケータイに出られないほどぼんやりしている状態」になってしまったことを認めたくなかったんだ
帰りの新幹線から見える雪景色をながめながら
実家より遠いところへ行ってしまった親不孝な自分、ばか!と思った。