こんばんわ。管理人ノクです。
今夜は最初に、オイラが今まで経験した中で最も辛かった仕事について話そう。
ちなみに、酷い鬱で苦しんだ後の話だよ。
オイラ、中堅どころのある物流会社(トラックで荷物を運ぶ会社だ)の安全対策担当をやっていたんだ。
もちろん、運行管理者の資格も持っているよ。更新していないから今有効かどうかは知らないが。
日ごろは個々のドライバーに安全運転の指導をしたり、問題ドライバーと個別面談したりが主務だったけれど。
一度人身事故が起こるとドライバーに代わって相手の方の病院に駆けつけるのが仕事だったんだ。
内容が内容だから会社名は言えないけれど、保有台数は1000台を越えている会社だった。
1000台がそれぞれ1日平均18時間走行するということは、会社全体では1日に18000時間の走行時間になる。累計走行時間で見れば必ず死亡事故が起きる計算になるんだ。
特に即死事故の場合、ドライバーは警察に身柄を拘束されるから病院には本社のしかるべき社員が急行しなければいけない。
心臓が動いている限り、延命手術は続くんだ。
ご家族は突然の不幸で冷静さを失っている。だからといって「まだ時間かかりそうですね、それではこれで」なんて態度は許されない。その後の法廷で問われる立場からいっても、もちろん、その場に居合わせた者の道義の点でもね。
ストレートに話そう。
被害者の方の心臓が止まるまで。脳波が平坦になるまで。執刀医が断念するまで。6時間でも8時間でもご家族の前で立ったまま待たなければいけない。
何故、うちの家族が?と問い詰められれば詫びる事も出来る。でもね。そんな時にオイラの事が目に入る人なんていないんだよ。ただただ、「そこに居る」ことを確認してもらうためだけに無視されながら立ち続ける。
そしてほとんどの場合、最悪の結果で手術は終わる。その後はご家族の気が済むまで「命を返してくれ」という言葉を受け止め続けなければいけない。
もちろん、仕事に向き不向きはある。最初の30分くらい顔を出して帰ってくる同僚もいたし、「オレがやったんじゃない。あとは弁護士通せ」と逆ギレして意気揚々と引き上げてくる間抜けもいた。ただ、オイラはそういう真似ができなかった。
当時は毎晩、酷い悪夢が繰り返されたよ。現実で経験したのは、命を奪われた遺族による詰問だ。
眠ると悪夢が、なんてものじゃない。眠るのはオイラ的には「糾弾第2ラウンド開始のゴング」みたいなものだった。
茶化して語るつもりはない。今日は「悪夢と向き合う、付き合う」という話だ。
眠る最中に見る夢というのは、脳のシステム上の活動だ。
経験を通して、何かを記憶してしまった。一時保存はされている。それを脳本来のもつ記憶のフォルダーの中に納めて、一時保存は一旦消去される。
博士の愛した数式、という映画をご存知だろうか。脳に損傷をうけ、記憶が一時保存しかできなくなった人の話だ。一時保存の容量がいっぱいになるのが、生活時間にして80分。これを過ぎると80分より以前の記憶は全てなくしてしまう。そういう話があった。
悪夢に話をもどそう。
脳が、記憶フォルダーのどこに収納すればいいのか分からなくなる程強烈な記憶は、脳内で一度追体験して記憶の整理が試みられる。これは整理がつくまで繰り返される。
今、悪夢にうなされている、オイラにとってとても大切な友人がいるんだ。
男友達として、オイラが言おう。
ごめん。悪夢から逃れる方法は、自分で整理をつける以外にないんだ。
心が繊細な人ほど、本来が聡明な人ほど、その記憶力は鮮明なんだ。特効薬も、魔法の呪文も持っていない自分が本当に心苦しい。
ただ、せめてもの次善策として。深い睡眠、長い睡眠がとれる方法論を探すことをお勧めします。
仕事がとても辛かった頃、自分でも実践していた事だよ。
眠っている間に、記憶の整理が行われる事は書いた通りだ。その整理の記憶が覚醒後も残り、それが心理的に負担になる記憶ならば、それは悪夢だ。
眠っている時の脳内活動を、覚醒時に残さない条件は、ノンレム睡眠の時間を確保すること。
眠りやすい環境作りなどは、逆に自分でネットで調べて、自分にできる事から始めた方がいい。
自分で選んで、自分で対策をとる。という行動自体が助けてくれる。
ただ、ネットに書いていない事もすこしだけ。
眠る直前にね。意識して「他の刺激」を十分に取り込むことも大事だ。
卑近な例ならマンガを読むでもビデオを見るでもいい。見たくない夢以外の情報なら、なんでもいいんだ。
それから、手のひらに触って安心できるものを握って眠るのもいい。
一番いい組み合わせがね。
本当でなくてもいいから、励ますためにかかれたものでいいから、自分に宛てられたラブレターを読んで、
自分はこんなにも認めてもらっている、と思いながら誰かに手を握ってもらって眠るのが一番いいんだ。
幼い子供がそうだろう?
爺さんや婆さん、ご両親にかわいい、かわいいと言われながら添い寝してもらうと、どんな酷い夢をみてもまたすぐにぐっすり眠れる。同じことなんだ。同じことがいちばん効くんだ。
どうか、ぐっすり眠れるように。
どうか、怖い夢を見ないで済むように。
今夜も祈っているよ。