ライトノベルと一般小説との境界を考えてみよう!
1 イラストの有無
2 出ている文庫のレーベル
3 ライトな文体
こんなものかね?
1 イラストの有無
~ライトノベルへのInterlude~
こういうのを読んでいた人たちは文庫サイズ(A6)のライトノベルに入るのにたぶんためらいがないんじゃないでしょうか。
- 料理少年Kタロー〈1〉 /令丈 ヒロ子
- ¥672
- そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノ-ト/はやみね かおる
- ¥609
- それいけズッコケ三人組 /那須 正幹
- ¥1,050
これら日本産の児童文学からってルートが一つ。
(ちなみに上記の作品、全部NHKの「ドラマ 愛の詩」枠作品なんだけどな。誰か知らない?すごい好きだったんだけど。ちなみに山中恒の「オレがアイツでアイツがオレで」原作の「どっちがどっち」ってのは挿絵がなかったからここには入れてない)
あと漫画から入ってくる人ね
2 出ている文庫のレーベル
電撃文庫
富士見ファンタジア文庫
角川スニーカー文庫
GA文庫
MF文庫J
小学館ガガガ文庫
集英社スーパーダッシュ文庫
一迅社文庫
講談社BOX
などなど、様々な出版社から出ているのですが、
これら以外から出ている作品はラノベとは言えないのかといえばあやふや。
例えば
- 塩の街―wish on my precious /有川 浩
- ¥578
まあどうみてもラノベだよね
表紙のイラストと言い電撃文庫だから,という理由といい。
この「塩の街」は
有川浩作品の中で「自衛隊三部作」と呼ばれる中の第一作目。
二作目「空の中」と三作目「海の底」はこんな感じ↓
- 空の中/有川 浩
- ¥740
- 海の底/有川 浩
- ¥740
アレっ?
そう、三部作の残りの二作は角川の方から出版されたのです。挿絵もなし。でもスタンスに何ら変化はない。
そして塩の街だけおかしいだろ、ってことで
- 塩の街 /有川 浩
- ¥700
こうなりました。
この表紙じゃライトノベルって思えないよね。普通の角川文庫なんだし。
同様に
- 半分の月がのぼる空―looking up at the half‐moon /橋本 紡
- ¥536
電撃文庫の名作ラブストーリー(これはラブコメ、ではないぞ。そこに注意。ラブコメではないぞ。)
どっからどうみてもライトノベルなんだが……
- 半分の月がのぼる空〈上〉/橋本 紡
- ¥1,680
こうなってしまえばわからないって。
また、逆のパターンもあるんだよなあ
- 時をかける少女 〈新装版〉/筒井 康隆
- ¥460
いや、既に貞本義行絵じゃん、ってあの映画の影響だぜ
あの映画とこの原作は別物だから映画しか見てないならこっちを読め
(しかし中一の時にこれを読んだときは筒井康隆ってこういう作家なんだなと思ったのに、他の本を読んでみたら××××な作家だということがよくわかったぜ。)
これもこうなる
- 時をかける少女 (角川つばさ文庫)/筒井 康隆
- ¥588
- イラスト:いとうのいぢ
こういうことです。これはラノベだよなあ
イラストの有無とかでライトノベルとそうでないものの線引きなんてできるかこんちくしょー
あ、これは 1 イラストの有無 の方の話でした
3 ライトな文体
俺はずっとこれはライトノベルだと思う作品
↓
- 螺鈿迷宮/海堂 尊
- ¥1,680
(確かこれ角川)
語りは主人公天馬大吉の一人称。(通称 アンラッキートルネード。ネーミングセンスは竹宮ゆゆこばりじゃないか)
ヒロインは桜宮病院の姉妹に天馬の幼なじみに看護師(をしている)姫宮
それに皮膚科の先生の白鳥や、もう絶対に倒せそうにない桜宮院長などキャラも立ってる。
舞台はでんでんむしと呼ばれるうずまきの城のような碧翠院桜宮病院。
たぶんこの人の本の中で一番「物語」をしている小説だと思う。
チーム・バチスタ~ナイチンゲール~ジェネラル・ルージュの流れまでは良かったがイノセントゲリラがあまりにひどかったんだよね。まだアリアドネ読んでないや
あとブラックペアン~ブレイズメスの流れもいまいち
ジーンワルツ~マドンナヴェルデもなんかなあ。
極北クレイマーとかひかりの剣とか作品なかなか多いけどやっぱり螺鈿迷宮が一番面白い。
これ絶対ライトノベルでだしたら売れるって。
だってライトノベルしてるんだもん。
灰村さんとかが絵を描いて……(妄想)
いやまじでコレ面白いから。
といってもチーム・バチスタの栄光→ナイチンゲールの沈黙→螺鈿迷宮→ジェネラル・ルージュの凱旋
で読んでもらえたらありがたい。
医療関係の物語はこれが面白いです。ラノベとは無縁だけど。
- 孤高のメス―外科医当麻鉄彦〈第1巻〉/大鐘 稔彦
- ¥600
孤高のメス で6冊 緋色のメス で2冊 孤高のメス~神の手にはあらず~ 4冊だからはまるといっぱい読めるよ!
要は境界を引くのは難しいということだ。
境界線上のホライゾンとかあの厚さはライトと呼ばせねえ。