煉獄へのカウントダウンは裏返せば雲を抜けるまでの急旋回に過ぎない
そう、陰陽はつねに表裏一体。最後の瞬間に陽に転ばせる技術にどうもっていくか、ということである。
もちろん、限界高度はわかっている。
雲を抜け、まだ上昇。空気はどんどん薄くなっていく。
そして見計らったタイミングでオーバーブーストをかますまでである。
だが、まだ上までいける。
まだだ……。
もう少し、あと少し。極限の緊張状態下でブースト展開のボタンに指をかけた!
はい。2月ですね。
2月とくれば14日にあるなんか変なのですよ。
えっと、月曜日だって。
もう電撃大賞作品が発売になっている頃ですね。
買うぜ~、超買うぜ~。
楽しみで仕方ない。2月いっぱいまでは読むわけには行かないけれど、それでも楽しみ。
本の発売日が楽しみなのはささやかながら永遠に途切れない幸せ
全国1000万人の僕のファンの女性の方。ちょ、チョコを。トリュフか生チョコかフォンデンショコラかザッハトルテかチョコレートファウンテンか、もしくはショコラティエールのピンクのエプロンの似合う女の子がチョコください。
来年は、ほら、その日あたりは試験とかだろうけど彼女が一人暮らしのマンションにやってきてゴディバとかそんな感じの外国のいい感じのチョコレートを「はい」って渡してくれたあと(ツンデレ展開はない)に持ってきたワインでディナー(でも和食)
って感じですかね。
彼女は机の上に6冊積んであった文庫本を見て言う。
彼女「あら、またラノベ?」
俺「べ、別にいいだろ」
彼女「そうじゃなくて、文学とかあまりないのねー、この部屋」
俺「いや、その電撃大賞作品の下にいっぱいあるぜ。文庫本だけれどね」
有川浩や海堂尊、いわゆる文学ではないが秀でた本が30冊程度顔を出す。
彼女「本当だ。有川浩もあるんだー」
俺「デビューはラノベだからね。もっともラノベには収まらない作家さんだと思うぜ。売れてるし。読む?」
彼女「前に話題になったときに読んだ」
自分も色々読むのよ、えっへん!と彼女は胸を張る。
俺「今何読んでるの?」
彼女「実はね」
とグッチだかエルメスだか俺には区別のつかないバッグからオレンジ色の文庫本カバーに包まれた’それ’が出てきた。
彼女「面白そうなラノベを○○に紹介されたからあなたも好きだし買ってみたの」
ほら、と扉絵を見せてくる。
どうにもどっかで見たことのある絵だ。嫌というほど見た絵。自分の希望を遠慮しつつ、それでもいろいろと注文を付けた三枚折り畳みピンナップ。その裏には10冊くらいの海外資料と模型をこちらから提供して書いてもらった編成図と地図。
彼女はブックカバーを外して表紙の銀髪の女の子を指さしながら、
彼女「この娘、たぶんあなたが好きな娘だと思うの」
俺「嫉妬してるのかい?」
彼女「いいえ?この娘にはきちんと開いてがいるもの。読んだ?」
青い背表紙のその本は出たばかりの電撃大賞入選作品であった。
俺「いや、読んでないけど全部分かっている」
彼女「どーいうことよー」
俺「教えないぜっ!」
と俺は彼女の手からその本を取り上げてテーブルに裏表紙を上に乗せた。
ペン立てからは油性のマジック。キャップを取るとさらさら、とペンをはしらせた。
俺「お買い上げまいど!」
彼女「!?」
たぶん来年はこんなバレンタインになるから今年は仕方ないな。
でもね、バレンタインはチョコよりも気持ち、心、愛情なんですよ
あ、あと僕は失敗して真っ黒になったチョコをくれたとしても不味いと言うような人間なので悪しからず。ロッテとかの方が美味しいですよ。手編みのマフラーとかも同様。
そりゃあ、高校生とかまではそっちのほうがいいけどさ、もう大学生とか大人ですよ?
大学出れば社会人なんだし、それで黒焦げ料理なんて許されない。可愛子ぶるのはキモイだけ。
今考えたんだけれど彼女が乗っている車ベスト3
第三位 NISSAN シルビアS15
オシャレなデザイン、きれいな名前(シルビアは妖精の名前です)、そして2シーターのスポーツクーペ。お嬢様らしい上品さと大学生という活発さ、そしてお嬢様らしい非常識さを兼ね備えた一台です。
(今のNISSANとはなんか違うよね)
第二位 MAZDA RX-7
日本の誇る名車。これも2シーター。シルビアよりずっと高性能。超人気車。デザイン最高。
もうこれを越えるエレガントスポーツカーは日本に誕生しないことでしょう。
(痛車!)
そして第一位 MINI
元イギリス車、今ドイツ車。堅実なボディにBMのエンジンをぶっこんで、どこかポルシェなどに通ずるカエルの目玉。屋根にユニオンジャックをいれているイメージもありますねー。
(ま
あ楽器を運ぶんだし、4シーターのMINIが一番現実的だよな。お嬢様だから金はあるんだ。大学に受かったから、って「じいや」とかが買い与えたに違いな
い。「お父様」はフェラーリ612スカリエッティとか買い与えようとして「お母様」に諌められた感じですかね。ちなみに「お父様」の愛車はたぶんベンツ
300SLマクラーレン。普段はプレジデントのリムジンかな)
まあ大学生になって俺は中古のレガシィかインプレッサに乗れるようになったらええなあ。4ドアか5ドアハッチバックね。