さあ四月馬鹿はおしまいだよ


幕末魔法士〈2〉大坂鬼譚/田名部 宗司
¥704
表紙の侍、どこをどう見ても女の子ですが突っ込んだら負け。


大作であったがかなりの筆力でばっさりと読めた。さすが大賞作品、レベルが数段違うのも納得だ。
前作、一作目は島根に出向いたが今回は大坂。有名人が続々と登場する。例えばだんだら旗の京都警護の人たちの人とか。
文章の硬いことで定評がある時代小説だが、歯切れのよいすぱぱぱーんと読める硬さ。この人、第二作シリーズとかで絶対化ける。でも20世紀までは行ってはいけないな。切り裂きジャックの本とか書いたら……。
時代小説をこれでもかこれでもか、と敬遠し続ける俺としてもこれはおおいにおすすめ!500ページ弱ですか、川上稔に割くくらいならこれを読め、という感じです。
内容は題名の通り、大坂で鬼の譚<ハナシ>。
あとこの絵師さんがイイよね!ラノベ、とくればこうこなくっちゃ。扉絵紹介ページじゃなくてピンナップ(一巻もそうだよ)というところは正しい判断でしたね!
これほど次が楽しみな時代小説、というのも初めてぜよ。


タイムスリップ明治維新 /鯨 統一郎
¥730
NHKFMの「青春アドベンチャー」て帯番組でやっていて面白かった作品。
幕末の有名どころの人を知るにはこういう変なのから入ってはいけないな。きちんと日本史を勉強するべきだったと激しく後悔。
内容は、主人公の麓麗<フモトウララ>は(これ講談社文庫ね。ラノベじゃないからイラストとか気にするなよ)明治時代に飛ばされる。時空震とかで。そこは夜の京都、新選組と攘夷派との殺陣の中にはいってしまったからさあ大変。そこへ清水の次郎長の子分、森の石松が駆けつけて……。
この人の本、正直面白いです。
この人の本、九割こじつけです。(とくにラジオドラマ版のタイムスリップ源平合戦はひどかった)
というか麗が未来人によって改変された歴史をいわゆる史実に持って行こうと暗躍する、というのがこのシリーズの核である。
ちなみにですが「青春アドベンチャー」の麗の声はゆかりんこと田村ゆかり。巻末には作者・鯨統一郎との対談が乗っています。対談だけだとゆかりんが誰だかさっぱりわかりません。
タイムスリップ森鴎外 /鯨 統一郎
¥730
タイムスリップ~シリーズの本来の第一巻。
これは麗が舞姫の世界に飛んでいくわけではなく、森鴎外、いや森林太郎が現代にやってきてしまうという。
この森鴎外、普通過去の人がタイムスリップしてきたら混乱して火事とか起こしちゃうものだけれども、新しい物大好き森鴎外だからすっごい順応しちゃうんです。
そしていくらか時間がたち、教科書から森鴎外の存在そのものが消え始めてしまいます。

いちおう文学史の勉強になるかならないかで言えばなるのだが、(無勉だった「舞姫」の現国のテスト、よかったんですよこれ読んだから)嘘も山のように当たり前のように書いてあるから要注意。
でも、面白いです。

あとこの続刊に「タイムスリップ釈迦如来」と「タイムスリップ水戸黄門」てのもあるんだがそれはちょっと。