いつもの散歩コースから外れ、湿気の多い林の中へ入ると変わった形の花が咲いていました。マムシグサです。色、形、生活スタイル独特でその一部を紹介したいと思います。

 

名前の由来

マムシグサとはおどおどしい名前ですが、マムシグサは漢字で蝮草(マムシ)と書きます。マムシグサの色や茎の模様が毒蛇のマムシの表皮に似ていることから名前がつけられました。また茎の太さが若いマムシの太さに近く、前倒れに曲がった花の形が「かま首をもたげているヘビ」に似ていることも由来になっています。

さらに、マムシグサの自生地がマムシの住んでいそうなじめじめした湿度の高い場所であることも由来のひとつです。

 

花の形

マムシグサは長い茎の先にひとつの花を咲かせます。筒状の花のように見えるものは変形した葉で「仏炎苞(ブツエンホウ)」呼び、仏炎苞の中に長い花「肉穂花序(ニクスイカジョ)」があります。

 

仏炎苞をもつ花を咲かせるものにはサトイモ科の植物が多く、ミズバショウもそのひとつです。マムシグサの仏炎苞は緑色のなかに白い筋があり、色は緑だけでなく紫など自生地の環境によって変わる地理的変異の性質をもっています。

 

 

マムシグサの性転換

花は雌花と雄花に分かれた雌雄異株です。魚のクロダイのように、マムシグサは雄株から雌株へ、または雌株から雄株へと性転換する植物として知られています。性転換は環境に左右される傾向にあり、気温や日当たりなどよい生育環境で雄株から雌株に変わり、反対に雌株が悪い生育環境において抵抗できる雄株へと変化して環境に適応し種を残します。

 

これだけでもマムシグサは独特な植物ですね。

 

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