よく売れている本ということで気になったので購入。
でも、よくよく思い出してみれば、内田樹氏は私が高校生の頃お世話になった思想家さんでした。もちろん、お会いしたことはありません。が、彼の文章は授業や試験で幾度となく拝読しました。
最初は、キャリア論らしく、「働くってどういうことか」ということを一通り語り、近年著しい「マスメディアの凋落とその影響」、そして「出版業界の状況と著作権」に話が移り、さらにより根源的な話である「贈与経済」について触れた後、「これからのメディアについて」が語られます。
働くことは何かに関しての主張や、マスメディアがなぜダメになった理由などはすごく読んでいて面白かったです。自分が物を書いたり、見聞きしたりするときの、参考になりました。
そして、著作権に関する話は、個人的には「ちょっとイイ話」でした。原点回帰というか、本って何のための物だったか、著作物って何だったかをきちんと考え直す機会になって、よかったです。ジョージ・A・ロメロの話を読んだときは、神谷さんが「続編を作りたいと思っても、権利がないから。」と仰っていたのを思い出して、ほんのり切なくなりました。
ちょっと理解しにくかったのは、著名な社会学者の論を引用しながら、著者は社会の仕組みの根本にあるものは「交換」と「反対給付義務」であるという部分。その最も本質的な形態が「沈黙交易」であり、そこで交換されるものは「よくわからないもの」であるという主張がちょっとわかりにくかったです。
そこで、筆者のサイト を覗いてみたところ、
私は、沈黙交易の説明の部分で「特産物」という言葉を用いられたことで、とても混乱しちゃったんですよねぇ。「特産物」が「よくわからないもの」ってどういうことなのかって。
筆者が文中で言っている「沈黙交易」は、そういうものじゃなかったと上の文章を読んでやっと気が付きました。
それにしても・・・定義だけとはいえ、紛らわしい表現はやめてほしいです。
さて。全体としては、メディア全体に適用されている市場原理の穴を突き、「元はどうだったのか」「大切なものが何だったのか」思い起こさせてくれる一冊でした。
なるほどと考えさせられることもたくさんありました。しかし、筆者も触れていますがが、ちょっと理想主義的な部分が見え隠れしている部分もありますので、鵜呑みにすると火傷しそうだなぁというのが率直な感想です。
ただ、こういうことは、しっかり知っておいた方がいいことですので、読んでよかったです。
でも、よくよく思い出してみれば、内田樹氏は私が高校生の頃お世話になった思想家さんでした。もちろん、お会いしたことはありません。が、彼の文章は授業や試験で幾度となく拝読しました。
- 街場のメディア論 (光文社新書)/内田 樹
- ¥777
- Amazon.co.jp
最初は、キャリア論らしく、「働くってどういうことか」ということを一通り語り、近年著しい「マスメディアの凋落とその影響」、そして「出版業界の状況と著作権」に話が移り、さらにより根源的な話である「贈与経済」について触れた後、「これからのメディアについて」が語られます。
働くことは何かに関しての主張や、マスメディアがなぜダメになった理由などはすごく読んでいて面白かったです。自分が物を書いたり、見聞きしたりするときの、参考になりました。
そして、著作権に関する話は、個人的には「ちょっとイイ話」でした。原点回帰というか、本って何のための物だったか、著作物って何だったかをきちんと考え直す機会になって、よかったです。ジョージ・A・ロメロの話を読んだときは、神谷さんが「続編を作りたいと思っても、権利がないから。」と仰っていたのを思い出して、ほんのり切なくなりました。
ちょっと理解しにくかったのは、著名な社会学者の論を引用しながら、著者は社会の仕組みの根本にあるものは「交換」と「反対給付義務」であるという部分。その最も本質的な形態が「沈黙交易」であり、そこで交換されるものは「よくわからないもの」であるという主張がちょっとわかりにくかったです。
そこで、筆者のサイト を覗いてみたところ、
交換というのは「私が欲しい物を君が余らせている。君が欲しいものは私が余らせている。おや、ラッキー。じゃあ、交換しましょう」というかたちで始まるものではない。
そういうのは「欲望の二重の一致」と言って、「ありえないこと」なのである。
交換においては交換される物品の有用性に着目すると交換の意味が分からなくなる。
交換の目的は「交換すること」それ自体である。
とあり、ようやく意味が解りました。私は、沈黙交易の説明の部分で「特産物」という言葉を用いられたことで、とても混乱しちゃったんですよねぇ。「特産物」が「よくわからないもの」ってどういうことなのかって。
筆者が文中で言っている「沈黙交易」は、そういうものじゃなかったと上の文章を読んでやっと気が付きました。
それにしても・・・定義だけとはいえ、紛らわしい表現はやめてほしいです。
さて。全体としては、メディア全体に適用されている市場原理の穴を突き、「元はどうだったのか」「大切なものが何だったのか」思い起こさせてくれる一冊でした。
なるほどと考えさせられることもたくさんありました。しかし、筆者も触れていますがが、ちょっと理想主義的な部分が見え隠れしている部分もありますので、鵜呑みにすると火傷しそうだなぁというのが率直な感想です。
ただ、こういうことは、しっかり知っておいた方がいいことですので、読んでよかったです。
