前回の続き。
「その方、お金無いの?」
現役は引退はされているようだが
お仕事されているので収入は
あるのでは?ただ、ご自身でも
「チープな」と言われるような?
買い物をするあたり、あまり裕福とは
言えないかもしれない。
また、日本で、女性に
高価なプレゼントをするのは
自分のステータスの高さを
誇示する男性もいることは確か。
それを喜んで受け取るのは人にも
寄るのだ。

ロッテは微笑しながら
「物で満たされる人もいるかもね?
少なくとも私は、ケビンのお花が
幸せだわ。」
ロッテは設計士という仕事が関係ある
のか分からないが(性格も)
生活は至ってシンプル、自分でも
あまり物は買わない。
しかし、長年愛用の仕立ての良い服、
手入れの行き届いた家具は本人含め
もはや絵画の一部の様だ。

ロッテ自慢のアップルパイが
焼き上がると、骨董品の様な皿に
切り分けてくれて、バニラアイスを
添えてくれる。私は毎回それが
楽しみで仕方ない。
私と同じく、ケビンもお茶にやって来て
私にも可愛い花をくれるのだった。

「ケビン、もうひと皿は自宅の分に。」

私、ケビン以上に
ケビンのご両親はロッテのアップルパイがお気に入りなのだ。
そして、ロッテが次回は何時来て
くれるのか、毎回ケビンに尋ねてくれと
お願いしているようだ。