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【忘れたくないから】
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拝啓、愛しのエリ様。
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私が22歳の頃、唯一の肉親である母親が亡くなった。
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今から28年も前の事ですね。
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自分の好きな仕事で飯を食うなんて無理だ‼️と話していた彼女は天真爛漫という言葉がぴったりな破天荒破天子でした。
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私は彼女より長生きするとは思いもよらず、幼馴染は皆口を揃えて、あの家庭環境でよくもまぁグレなかったよねと言ってくれます。
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グレてるとかそんな暇も無く私にはやりたい事があり、勉強や絵を描く事やギターや物を作る事に明け暮れていて、気付けば人並みの生活というのとは縁も無く荒んだ家庭環境でしたね。
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私は私、貴女は貴女と話し合いをしお互いを鑑賞するのを辞めようと提案したのは16歳でした。
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その頃から一人でいる事など平気で何もかもできてしまっていたのかもしれませんね。
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兄弟も居なくて親父なんて知らなくて天涯孤独という言葉が私に纏わりつくとは思いもよらなかった。
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彼女が亡くなったのは桜が散る頃だったように記憶していて、命日なんて覚えてない。
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それは日付で覚えるよりも、感覚で覚えていたかったから4月の末日と勝手に決めた。
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私が知る限りと言っても多分150くらいは呑んだであろうクラフトビールの中で最も美味いと思えるビール屋に私がプロデュースさせてもらったビールを添えて。
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酒とタバコと男が好きな人でした。
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死ぬ間際まで女でしたね。
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息子の事などまるで存在すら忘れたかのように自由奔放に振る舞える彼女を少し羨ましいと思っていたほどに。
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生まれた時から何でもかんでも揃っている家庭に生まれていたら?どうなったかな?なんて考えた事は無いけど、確実に何も無かった私の方が色々な事を考え形にする事を辞めなかった事に少しだけ誇りを持ってます。
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「マミー、月曜日にさ〜20針も塗ってしまってさ〜どうせまたいつも怪我ばかりだねと思ってるでしょう〜?ちゃんと今日まで禁酒してたんだぜ〜今日はさ‼️献杯しなきゃだからさ‼️そっちでも呑んでる?ビールとさ〜二階堂好きだったよね〜⁉️マミーはさ〜その42歳の時で止まってるじゃん〜?俺はさ〜いつまで生きるか知らないけどさ〜マミーより歳とってそっち行くんだぜ〜⁉️なんか変な感じだよね〜‼️50歳になったんだぜ〜‼️今もさヴィンちゃんてさ可愛い犬が側に居てさ〜お客様から仕事いただけてさ〜飯食えてるよ‼️好きな仕事でさ‼️そっちってさ〜地獄かな⁉️天国かな〜⁉️多分マミーは地獄だぜ‼️俺だけ天国行ってたら会えないな〜‼️まぁ、俺の親しい仲間で亡くなった奴なんてみんな地獄行ってるだろうからさ、もっともっと面白くて楽しくてさ‼️閻魔大王が俺のこれまでの所業なんか長過ぎて読みたく無いから天国でも地獄でも好きな方へ行ってくれ‼️って言わせるからさ‼️そしたら俺だけ天国行ったりしてねwwwwwww、なんてね、平気な顔してたけど辛くて周りから馬鹿にされて貧乏でどうしようもないねって思ってた時期もあったけどさ、俺はさこの世に産んでくれた事にとても感謝してるよ‼️今までさ〜何台自転車作ったか知ってる⁉️結構作っんだぜ〜‼️そんな方々もさ〜俺が居なかったらその自転車やその出会いって無かったんだぜ‼️そしたらさ〜マミーに感謝じゃない?マミーはさ〜良い時に亡くなったよね⁉️本当にそう思うよ、今はさ〜とっても世の中がさ〜とか思うけどこれこそ以上は言わないようにするよ、どんな時代とかそんな訳の分からないもののせいにしても仕方がないって一番分かってるからさ、俺とマミー以外の人間に俺たちの事なんて理解してもらいたくないし、マミーとの日々があったから今、俺はカッコいい自転車作れてるからさ‼️良い意味でトラウマかもねwww責めてないからねww、息をするように毎日何かを作れるように求めて、子供達も大きくなったからさ‼️もうそろそろ良いかな?俺のために生きても、マミーも婆ちゃんも人のために生きろ!って言ってたじゃん?それ俺からしたらやっぱりお客様のためだったわ‼️」とまぁこんな独り言を延々と繰り返して…
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酒を飲む口実として締めたいと思います。
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人の生い立ちに、人の生き様に、人のやってる事に、何人たりとも…
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口出し無用でしょ。
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貴女の息子で本当に良かったよ。
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息を引き取る間際にキスした事バレてるかな😆
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心から愛してます。
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もう少し待っててね。
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まだまだ作りたいものがあって、まだまだお客様に必要とされてるみたいだからさ。
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どんなに酷い過去も赦す事が人間の生きる意味だと思ってるよ。
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