この日は、6月1日という就活生にとってはターニングポイントとなる一日の前日ということで、私も少々ナイーブになっていた。
そんな心境だった私を励ますかのように、西田から吉報が届く。
西田が裁判所の職員採用試験の一次試験に合格したとのこと。
これ自体は素晴らしいことなのだが、西田は早くも次の試験の心配をしていた。
というのも、次の二次試験では人物試験の配点が4割もあるようだ。
面接をあまりこなしていない西田にとっては鬼門であり、西田の面談相談会が急遽開始された。
煮卵メンバーの割とガチな意見としては、面接で重要なこととして以下の事柄が上がった。
・嘘をつかないこと
・相手の顔を見て笑顔でいつもより大きな声で話すこと
・語尾は伸ばさず、言い切るようにすること
・一貫した自分の考えをもって臨むこと
もちろんこれらは場数をこなすことでスキルとして定着するものであり、言われたからすぐにできるようなことではない。
ただし、これらを意識して臨むことは大切であると思う。
西田もこのアドバイスを受け入れ、翌日以降の面接に臨むこととなった。
一方私も翌日以降の試験対策を行っていた。
就活サイトによると、明日面接を受ける同一グループ会社の3社の面接では、好きな四字熟語を聞かれるケースがあるらしい。
四字熟語と聞いて、パッと焼肉定食しか思いつかない私は、実家から四字熟語辞典を借りて勉強に励んでいた。
この本は母の所有物なのだが、たまに付箋が貼ってあるページがある。
大抵は使用頻度が高いと思われるものだったのだが、一か所異質の四字熟語に付箋が貼ってあった。
その四字熟語は「酔生夢死」である。
この四字熟語の意味は、「酒に酔い、夢を見て一生を終えること。有意義なことは何もせず、無駄に一生を過ごすことのたとえ。」とある。
この四字熟語には、付箋のみならず赤丸まで付いていたので、私の母はこの四字熟語を大層気に入っていたことが推察される。
この仮説に至った私は爆笑した。
早速煮卵にこの衝撃的事実を報告。
池田はこのとき、カレーを食べながらビールを飲んでいたのだが、池田曰く
『今に置き換えると「優勝」ってところだろ』
とのこと。これには納得した。
そして明日から運命の面接が始まっていく。
-----2024年5月31日の私より------
結構外を歩いていると、就活生っぽい人に出くわします。
私の頃の就活に比べて、オンラインのものがあったりと多岐に渡る選考方法がありますから大変ですね。
ちなみに私が行き着いた好きな四字熟語は「何苦楚魂」です。
ブラックっぽいですね。ただ苦しい状況を支えてくれる良い言葉だとは思います。