100円ショップのダイソーで買った「ダイソーミニミニ辞典シリーズ⑭ 新・四字熟語辞典」(2002年刊行)の頭から最後まで、一つずつ採り上げて、グダグダとよしなしごとを綴っていく試みです。
辞書はあいうえお順で載っており、163ページ分あります。幾つの四字熟語が載っているかは書かれていませんので、毎回自分で番号を振っていきます。
9)握髪吐哺
…この言葉は、この辞典で初めて知りました。意味は「立派な人材を求めるのに熱心なこと」。「握髪」は髪を洗っている途中で、髪を握って洗うのをやめること。「吐哺」は口中の食べ物を吐き出すこと。「髪を握り哺を吐く」と訓読する、とのこと。昔の中国の周公旦(…紀元前1037年頃の人ですよ…。スゲェな…)という為政者が、賢人をゲットする機会を逸しないよう、訪問者があれば、髪を洗っていようが、飯を食っていようが全部放り出して善は急げと迎え出る…という故事です。…髪を洗ってるのをやめて来客を迎えるってのは何か現代でもありそうですよね…。書留や宅配便が来た時とか。…でも「食ってるものを吐き出して」まで出迎えるってのはスゴイな…。…モグモグクチャクチャ咀嚼しながら人前に出るってのは、失礼にあたるから、ってことなんですかね…。
…もう使っちゃったけど、この四字熟語と似た意味で現在一番使われてるのはやっぱり「善は急げ」なのかな…。「滅多にないチャンスをみすみす逃すな!」…ということですな。「思いたったが吉日」とかもそうですね。…んー、でもちょとだけ違うかな…。握髪吐哺はあくまで「受け身」「パッシヴ」ですよね。来訪を待っている。…まあ「優秀な人材募集中!是非遊びに来てね!」っていう求人広告的なものを出してるのかも知れないが…。善は急げ、とか、思い立ったが吉日、とかは、自分で思いついたことに対しての言葉だからなぁ…。…「待ってるだけじゃダメなんだよ!こっちから探しに、迎えに行かないと!」…みたいな「受け身、受動じゃダメだ、自ら、能動的に動け!」みたいなのは、今のビジネス界隈ではよく聞きますよね…。
…まあ、だいたいどんな四字熟語や故事成語でも、必ず正反対の言葉ってありますよね。「果報は寝て待て」とか「急がば廻れ」、とか。…あ、でも「果報は寝て待て」は、ただ待ってるだけじゃダメなんだそう。やることをきっちりバッチリやっておくことが前提なんだそう。やるだけやった後なら、後は待つだけ。慌てても仕方がない。…つまり「人事を尽くして天命を待つ」に近い意味なんだな…。
握髪吐哺も多分、「人事を尽くして天命を待つ」の方に近いんだろうな…。或いは握髪吐哺さえ厭わずに、チャンスを絶対に逃さない、ってのが「人事を尽くす」方に入るのかも知れない。
いずれにせよ、良い結果を得るには、やれることはしっかりやんなさいよ!…って意味でいいと思います。"Do your best!"ってヤツですな。…あ。…"Do your best!"、なーんか和製英語くせぇな…と思って調べたら、やっぱそれに近いな…。こちらの記事などでは、"I did my best!"みたいに「自分(たち)が頑張った、全力を出した」って意味では使うけど、自分以外にはあんま使わないって書いてありますね…。人に「頑張れよ!」って言う場合には"Good luck!"だそうです。…でも「グッドラック」って…。運任せじゃん…。キリスト教文化圏特有の「運命は全部神のみぞ知るで、人間は宿命には逆らえないんだから、あとは運次第だよ。…カミサマが貴方に微笑んでくれるといーね!」みたいな、完全に他力本願的な言い方。運命論的な言い方ですよね。…そーいうのはあんまスキじゃねーんだよなぁ…。…日本語でも確かに「幸運を祈る!」みたいに言わないこともないけど、なーんか腑に落ちねーなぁ…。「頑張れよ!」ってのは「運命とか関係ねー!むしろ自分のチカラで幸運の女神を腕ずくでもいーから引っ張って連れて来い!」的な、「為せば成る!」みたいな、「運を自分で引き寄せろ」みたいな、日本人の好きな「根性論」の方がまだ、"Good luck!"よりはしっくり来るなぁ…。
…でも、今、日本でも他人に「頑張れ!」って言っちゃいけない…的な風潮になってきてますよね。特に、大きな不幸に見舞われた人や、精神的に落ち込んでる人に一番言っちゃいけない言葉が「頑張れ」だ、ってのは最早常識ですね…。…だから私も、子供たちに「頑張れよ!」って言うのは極力避けてます。相手が非常に頑張っていて、明らかにヤル気マンマンなのが分かるときには慎重に「頑張ってね」とは言うけど、滅多に使いません。ましてや失敗して落ち込んでるような精神状態なら、絶対に「頑張れ」って言葉は使いません。…だから「幸運を祈る」なんですかね。
…せっかくなのでまたアニメの話を出しますが(ヲイ!😅)、私が好きなアニメに「信長の忍び」(原作:重野なおき、アニメの監督は我がグンマーが誇る名匠、大地丙太郎)というのがあります。この作品の中で、信長の正室である帰蝶(きちょう。斎藤道三の娘。一般には濃姫という呼称が有名。CV:たかはし智秋)が信長直属のくノ一(女忍者)である千鳥(ちどり。CV:今をときめく水瀬いのり)に向かって以下のようなセリフを言います。(3期「姉川・石山篇」、第六十六話「きっかけは野田・福島」。)
「千鳥ちゃん、さっき私(夫である信長出陣の折に)『ご武運をお祈りしています』って言いましたよね。…『勝って』とは言えないのです。戦略上、退いた方が良い時もあるので…。そして武士は死に様を大事にしますから、『死なないで』とも言えません。だから妻たちは『ご武運をお祈りします』としか言えないのです。それに想いの全てが詰まっているのですよ。」
…やはり「考え抜かれた結果」が「Good luck」なのかも知れないな…と思ったのでした。
…なお、このアニメはシリアスとギャグがイイカンジで渾然一体となった超名作です。あー…早く4期が始まんねーかな…。…しかし水瀬いのりさんはイイ…。「少女終末旅行」「彼方のアストラ」そして「メイドインアビス」…と、話題作に欠かせない人です…。(…実は私という人間が一番「スゴイ!尊敬に値する!」と思ってる職業は、…何と「声優」です。本当に素晴らしい職業だと思います。でも声優業で食えるようになる人って100人に一人だそうで…。…だからできるだけ沢山ギャラあげて…。かつての大御所声優、永井一郎氏が声優業の低所得を嘆く投稿をしたことがありますが、声優さんにせよアニメーターにせよ、日本は「アニメに関するおカネの上手な使い方」をぜってー間違ってると思う…。アニメーターは中国なら日本の数倍の給料が貰えるらしく、優秀なアニメーターがどんどん海外に流出してるって言いますし…。勿体なさ過ぎる…。でも声優業は流石に改善しているらしく、売れっ子は年収1千万超えも普通みたいです。…ヨカッタ…。)
…なお、帰蝶が登場するアニメとしては「ノブナガ先生の幼な妻」(原作:紺野あずれ)もスキです。…現在もまだ大流行している「転生モノ」に分類される作品ではありますが、よくある「異世界転生して無双する」というワンパターンに陥っていない、オリジナリティある、何度読んでも/観ても飽きない作品です。
…もう、どうしてもアニメの話に到達せざるを得ない「アニメ脳」なので、今後は必ずアニメかマンガの話を入れることを心がけよう。(…どうしてそうなった…😅)