お店でも『スペシャルティコーヒーって何ですか?』との質問をよく受けるので、いつかはカフェテナンゴの意見を書いてみようと思っていました。
現在『美味しいコーヒー』程度の軽い意味で流通しているこの言葉は、定義の定まらないまま売る側の都合の良さの為に、そのままにされています。
しかし、本当は厳密に定義されるべきであり、それを消費者に分かりやすく伝えていかなければいけません。というわけで、現在私が考える『スペシャルティコーヒー』を書いてみたので、長いですが、読んでみてください。
【スペシャルティコーヒーとは】
この言葉は、1978年に米国のErna Knutsen女史が使用したのが最初であると言われる。
その時の定義は、『土地の気象条件・地理的条件を反映したフレーバーを持つコーヒー』ということだったらしい。この考え方を少し詳しく説明するとこういうことだ。
ある一つのコーヒー栽培区画があるとする。そこは、ある特定の土の質、層、傾斜があり、
日光の当たり方、風の吹く方角、降雨パターン、寒暖の差など数えきれない地理的・気候的条件に支えられて存在している。
そして、その条件の下で生産されるコーヒーは、『その条件を反映した独特の味』を持つ。
それこそが『スペシャルティコーヒー』だというのだ。
少しワインをかじったことのある人ならすぐに気がつくと思うが、これはアペラシオンの考え方と全く同じである。
これは私の推測であるが、ワインの考え方をそのままコーヒーに適用しようとしたのが、スペシャルティコーヒーの始まりだったのではないかと思う。
しかし現在、日本においてスペシャルティコーヒーの定義は、世界基準の定義が無いとしながら、『素晴らしい風味特性を持つコーヒー』という消費者にとって簡単で分かりやすく、売る側にも都合のよい言葉として流通している。
そもそも日本でスペシャルティコーヒーという言葉が使われ始めたのは、2000年頃からで、その前まで流通していた『グルメコーヒー』や『プレミアムコーヒー』という言葉に代わって、使われ始めたのであるから、現在の使われ方は違和感がないのかもしれないが、今の使われ方には、Erna Knutsen女史の考え方が微塵も残っていない。スペシャルティコーヒーという言葉だけを残し、中身は完全にすり替えられている。
『美味しい』や『高付加価値』、『高価』(生豆にプレミアムを払って買い付ける)という様々な意味を接収しながら、スペシャルティコーヒーという言葉は成長してきたが、この定義の定まらない曖昧なままではいけないと思っている。
カフェテナンゴは、『スペシャルティコーヒー専門店』を謳っているのだから、当店の考える『スペシャルティコーヒー』を提示しなけらばならない。
そして、言葉の意味も考えることなくこの言葉を使っている焙煎業者・個人焙煎店に警鐘を鳴らす
とともに、業界に向かって提案をしたい。
スペシャルティコーヒーとは、生産国、産出地域、農園名(農協名)、農園主(農協代表)、精製方法、品種が特定でき、的確な収穫、迅速な精製、厳密な選別がされている為、価格にはプレミアムが付き、カップになったときに高品質を確認できるコーヒーのこと。
これがカフェテナンゴの考える『スペシャルティコーヒーの定義』だ。
それでは、この様に定義した理由を述べたいと思う。まずは、スペシャルティコーヒーがスペシャルティコーヒーである為の条件を整理してみよう。
カフェテナンゴの提案するスペシャルティコーヒーの条件
①豆の出所がはっきりしている(高いトレーサビリティ)
生産国、地域、農園名(農協名)、農園主、精製方法、品種がきちんと特定できる。
②生産者が特別に情熱を注いでいる(的確な収穫、迅速な精製、厳密な選別がされている)
熟した実だけを収穫して、清潔で早い精製をし、比重や電子選別機、ハンドピックなど、通常のものより欠点豆を少なくして出荷されている。
③価格にはプレミアムがついている(相場とは別で価格が決まっている)
前述したように一般グレードとは、かかる手間と暇が違い、選別過程にてロスも出るのであるから、当然価格は高くならざるを得ない。安いスペシャルティコーヒーは、ありえない。
④カップから様々な情報が読み取れる(高品質を確認できる)
「リンゴやマンゴーなどのフルーツ、ダークチョコレートやカラメルなど様々なものを思い起こさせる豊かなフレーバーを含有している。
『素晴らしい風味特性を持つ』だけでは、スペシャルティではない。
これらの条件を満たすものが、真のスペシャルティコーヒーである。
以上ですが、ご意見がある方はメッセージください。




