今年の本屋大賞
「52ヘルツのクジラたち」
読み始めて吸い付くように読める本と
なかなか読み進まない本がある。
この本はあっという間に読み終わった。
この本には現代社会の闇で叫びをあげられない問題が詰め込まれている。
これは、小説だけれど小説ではない。
現実世界にも、こういうことはおこっている。
救いなく消えていく命もある。
どこかで救いに出会い、未来に向かう命がある。
孤独のなかで一人耐え抜き必死に生きる命がある。
ふつうのクジラの出す周波数と
52ヘルツのクジラ。
不登校の子どもたちは
52ヘルツのクジラたちなんだと思う。
ありのままを受け止めてほしいのに
「学校」という枠は狭すぎて
その声が届かない。
でも、52ヘルツが聞こえる人もいる。
そんな仲間と出会えれば、大海原に漕ぎ出せる。
リアルであろうと、オンラインであろうと、52ヘルツが聞こえる人はどこかにいる。
そんなことを考えながら、この本を読み終わった。
せつなくもあたたかく読後感の良い本だった。
すべての命が
愛と出会って幸せに生きていけますように。