(写真は本文の内容をは一切関係ありません)

通っていた高校で、同級生のDがクラスメイトのFに刺されて救急車で病院に運ばれたことがあった。出血が夥しく、重篤な状態に陥ったDを乗せた救急車はパトカーの先導で病院に担ぎ込まれたほど。幸いにも一命をとりとめ彼は程なくして復学する。

DがFを刺した直接の原因は、彼が持っていたお弁当(確かサンドイッチだったと思う)をFが「俺にもよこせ」と取り上げて一口二口食べてしまい、腹を立てたDが持っていたナイフで…ということなのだが、立派な傷害事件。翌日の新聞各紙には「食べ物の恨みは恐ろしい」みたいな感じで書かれていた。

その40数年前の出来事が、私が新聞やテレビのニュースで報道される事案をそのまま鵜呑みにしなくなったキッカケ。そりゃそうだろう、フツウに考えてみてもお弁当を食べられたくらいでいきなりその相手を刺す奴など聞いたことが無い。

実際には…DとFは「いじめっ子」「いじめられっ子」の関係で、Fは長年の鬱憤が溜まった状況。具体的なことはここに書かないが、まぁいろいろと。それが「お弁当」で堰を切ってしまった。そういう状況だったのを周囲も知っていたため嘆願書を準備し、クラスメイト達の多くが署名して警察に渡した。因みにナイフはあらかじめDを刺そうと用意されたものでは無い。私達は工業高校の電気科の生徒で、ケーブルの被覆剥ぎ等々授業の実習で使うために全員『電工ナイフ』を持っていた。それがたまたま凶器になってしまう。

長期に渡るイジメ、偶発的な事案ということもあってFも間も無く復学した。

新聞とかって余程大きな出来事でもない限り、そうした事件の背景なんて報じないよね。だから、勿論新聞とかテレビのニュースって速達性が大事なのは承知しているし、物事にもよるけど最初の一報だけでは判断しない。



今はどうだろう。少なくとも新聞記事とかテレビのニュースってほとんど裏が取れているよね。少なくともそこで報じられたこと事態は事実。一方でインターネットが普及し誰もがスマホから情報を得る時代。そこには裏の取れていない…どころかデマが数多く流布している。己にとって基準は真偽ではなく都合のいい情報。それが拡散され広まっていく。嫌な時代になったもんだ。

あと、被害者のDと加害者のFのその後。結局卒業待たずにどちらも退学してしまった。少し残念だけど、それも人生。彼等をあれこれ論ずる資格など私には無い。