カフェ開業ノウハウ」を学ぶ-4/竹谷塾エーエフディーコンサルタンツ
カフェ開業-経営基礎知識を学ぶ-4  成功の一歩は経営の基本を把握することである。


次号の続き
前号で述べているように、カフェ開業の基礎知識で大切なことは、経営を継続するための数値の基礎知識を習得しておくことである。
さらにカフェの経営で一日どのぐらい売上を達成すれば、事業として経営が成立するのかなど、検討する指標としては、損益分岐点という言葉がある。

 

この損益分岐点とは、所謂売上採算分岐点のことであり、いくら売上ると利益が出るが、その目標売上を達成できなければ、赤字になるという売上分岐点のことであり、カフェ経営の目標としては、売上達成のために看板メニュー開発、集客活動を進めることがカフェ成功のポイントになる。

 

では損益分岐点とは、具体的に以下に説明しておこう。

損益分岐点売上高

損益分岐点とは、店の利益がちょうどゼロになる売上高のことである。つまり利益も損失も出ない赤字と黒字の分かれ目のことであり、いわば店の経営を維持していくために最低限必要な売上高が損益分岐点売上高になる。
つまり自分の店の損益分岐点売上高を把握するということは、赤字を出さないようにするための最低限の売上高を知るということであり、この損益分岐点は、目標利益・目標売上高を設定するためにも必要となる重要な考え方のひとつであることを理解しておかなければならない。

ではこの損益分岐点売上高の求め方について考えておこう。
一般的に会社の費用には、変動費固定費という
種類の費用があり、そしてこの変動費固定費の合計が会社の費用になる。

また変動費とは、商品の原価を構成する食材類(肉や魚、米その他など)は売上高に応じて変化する費用であり、いわば、売上高に応じて変化する費用であるため、金額ではなく割合(パーセンテージ)で捉えることがわかりやすいことである。

例えば、1,000円の商品のうち、その原価が300円ならば、変動比率は30%ということになることである。しかし一方固定費とは、店の家賃やリース料、従業員の固定給など売上高に関係なく、毎月(毎期)定額で発生する費用のことであり、商売の良し悪しにかかわらず、常に費用発生する費用が固定費にあることを理解しておかなければならない。
また厳密に言えば、電話料金や水道代・ガス代のうち基本料金部分は固定費、利用料部分は変動費であり、また給与のうち、アルバイト分や社員の残業代部分は変動費と考えることもあることを理解しておかなければならない。

事例/損益分岐点

※事例としては図の縦軸も横軸も金額(売上高)としていること

損益分岐点売上高とは、店の売上高と変動費と固定費の合計が、ちょうど一致するポイント(売上高)であること

さらにアルバイト給与も本来は純粋な変動費ではなく、ある一定の客数まではアルバイト一人で大丈夫であるものの、一定の客数を超えると二人必要になるというように、固定費的な要素(準固定費)もあることを理解しておくことである。

また本来は、固定費と変動費は実情に即してできるだけ的確に分けるのが望ましいことであるが、小さな飲食店の場合、商品の原価(材料)のみを変動費、それ以外を固定費と考えてもそれほど経営に実害はないことも現実であろう。
つまり損益分岐点売上高とは、店の売上高と変動費と固定費の合計が、ちょうど一致するポイント(売上高)であり、その関係性を十分に理解しておくことが大切であることを忘れてはならない。