2015/10/01京セラ・KDDI設立。日本航空では会社更生法の適用 から2年で営業利益2000億円というV字回復をやってのけた新時代 経営リーダー稲盛和夫の経営哲学「人を生かす」に学ぶ/外食業界に生 きる人間として 「地味な努力を積み重ねる」

大きな夢や高い目標を掲げることは大切なことです。しかし現実は、地味で単純とおもわれるようなことにも、毎日取り組まなければなりません。こんなことで本当に夢を実現できるのだろうかと、描いた夢と現実とのあいだに大きな隔たりを感じ、焦ってしまうものです。
事実、創業時の京セラでは、皆が来る日も来る日も粉まみれなりながら、セラミックスの原料を調合し、汗を流しながらハンドプレスで成形し、高温の炉で焼成するといった仕事を繰り返していました。
どんなに偉大なことも、地味な努力を積み重さねることでしか達成できません。世界最高峰のエベレストに登頂するのでさえ、人間の足で一歩一歩踏みしめていかなければならないのです。
非常に小さなその一歩一歩の積み上げがエベレストを征服するように、全従業員が同じ目標を目指して、一生懸命に仕事に取組み、地味な努力を連綿と続けていくから、困難と思えるように技術開発ができるのです。このような地味な努力の集積が、京セラの技術のベースをつくり、今日の発展をもたらしてくれることになったのです。
外食業界においても同様なことは多々あることである。特に食ビジネスの場合には、業態のフォーマットがよければ、急速に店舗数を増加させることができるなど2、3年の間に30店舗に成長している飲食店も少なくない。
しかしその業態コンセプトを企画するまでの苦労や努力は並大抵のことでは実現できないことは、仕事を生術させる上では変わりない地道な努力なしに実現できないことであることを忘れてはならない。
成功例としては、ラーメン店は個性高くその店でしか味わえないラーメンを開発すれば、成功するチャンスは広がるだろうし、看板メニューを開発することができれば、飲食店を繁盛させる道は近づくことは確かである。
ここで大切なことは、繁盛店の真似やコピーでは、その成功を簡単に手にすることはできないということであり、自分の夢や目標をかかげてその目標に向かって地道な努力してこそ、その夢を実現のものにできることは変わらない現実であることを忘れてはならない。
いかなる仕事においても、目標や夢を実現するための努力をすることは、誰しも同様な思いであろう。しかしその思いは生半可の思い入れではその目標を現実のものにはできないことを肝に銘じておくことであろう。
いわば、何事も目標や夢に向かっての地道な努力を積み重ねてこそ、やっとその成功の入口にたどり着ける、その入口をこじ開けて前に進んでいく努力の上に成功があることを誠心誠意理解することが大切である。
人間は何事に対しても「地味な努力を積み重ねる」ことが大切であることを人生の糧にすべきである。