少し前に話題になったらしい本です。
ジャンルはミステリーでありながら、ごくささやかな・・・むしろありふれた恋愛小説かと思いきや、なんとなんと!!ラスト二行でほんとうに「そうだったのか!」といろんなことが繋がっていくおはなしでした。

一部ネタバレなので、未読の方はここまでです。
この先は読まないでね。



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Side-Bからずっと違和感はあるのです。
でもその違和感は「人ってそんなものだしね」と気にならない程度の計算されつくした絶妙さ。最後まで読んでしまうと、「ちょっと待って、そういえばあの時・・・!」ともう一度確認したくなって、再読してしまう。

「それはムリヤリでは?」
「それ、ほんとう?」
「まぁ、そんなこともあるのかも」
一度はそう思って読み流していたことが、トリックがわかって再読するとすべてつじつまが合ってくる。というか、合わせてある。
 ヒロイン成岡繭子、恐るべし(笑)

ところで。
この小説は最後の二行を読んだから・・・つまりネタバレしたから読む気が失せる、という作品ではないと思う。最初から読んで、たどり着いた最後の二行で初めて、「じゃあ、あれは?あっ、あれも?あっ、やっぱりあれって・・・!」と、漂っていた違和感の正体が見えてくるから。

人は、例えそれが読者という第三者であっても、思いたいようにものごとを受け止めるし、見たいものだけを見たいように見ている。

その心理をうまくついたトリックだと思いました。