世界的指揮者、小澤征爾さんが亡くなりまし

た。

その一報を受け、我が家ではかなりの衝撃が

走りました。

ヴァイオリニストの端くれである長女は、小澤

先生には貴重なご縁をいただきました。

若手音楽家の育成に非常に熱心でいらした小澤

先生は、2000年にローム株式会社の支援で

「小澤征爾音楽塾」を立ち上げられました。

「オーディションで選ばれた若い音楽家たちが

サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーで

もある先生がたの指導のもと、世界の第一線で

活躍する歌手や演出家と一緒に、一つのオペラ

作品を創り上げていくことは、音楽家としての

一生を左右するような深くて大きな経験となり

ます。」

という小澤先生の信念のもと、毎年、オペラ・

プロジェクトが開催されて来ました。

娘は、2019年と2022年(2020、2021年は

コロナで中止)に、参加させていただきまし

た。

2019年は、小澤先生も数回練習に立ち合われ、

張りのあるお声で厳しく指導してくださったそ

うです。

そこに姿があるだけで場の雰囲気は変わり、タ

クトを一振りするだけで音楽が変わると、娘は

言っていました。

すでに体が弱っていらしたにもかかわらず、そ

れを忘れる程指導に熱が入ってしまい、周りに

止められていたとも言っていました。

2022年には、娘さんである小澤聖良さんの付

き添いで車椅子でいらして、短時間練習を見守

っていらしたそうです。

おそらく、2019年に参加した塾生が、小澤先

生の指導を直接受けられた最後の代となったの

ではないかと思います。

小澤先生の薫陶を受けることができた娘は非

常に幸運でした。


小澤征爾先生のご冥福をお祈りいたします。



2019年は、ビゼー「カルメン」





2022年は、ヨハン・シュトラウス「こうもり」