ヒョリンはユルの言葉をかみしめていた。

チェギョンはユルの許嫁だった・・・確かに、いろいろな報道で分かっている内容では、この話は先の皇帝が存命していた時の話で、その時の次期皇太子はユルであった。運命のいたずらで今、シンが皇太子になっているが、本来であればユルが皇太子であったはずである。

(そうよ、あの子はシンの許嫁だったわけではないわ・・・)

譲ってもらったわけではないと思うと、ヒョリンは気持ちが楽になった気がした。

 

シンのプレゼント贈呈式にも、ヒョリンはチェギョンたちが参加することを快く了承した。

「到着した時には姿を見ただけで嫌がっていたのに、どういう気持ちの変わりようだ?」

シンは不思議そうにそう言った。

「せっかく来ていただいているのだし、皇太后陛下からのご招待であれば仕方ないじゃない?」

ヒョリンは笑顔でそう答えた。

 

部屋には参加者以外からもシンへのプレゼントが所狭しと並べられていた。

シンは一つ一つ女官からプレゼントを渡され、説明を受けていた。

ヒョリンからは最新式のMP3プレーヤーが送られ、周りからうらやましがられていた。

 

「シン・チェギョン様からです。」

箱には学校で使う上靴が入っていて、表面に皇室で使用する伝統模様が細かくデザインされていた。

「うわ、何かと思えば上靴かよ。」

「さすが庶民は違うねー。」

ギョン達は口々にチェギョンからのプレゼントを指をさして笑い出した。

チェギョンは顔を赤くしてうつむくしかなかった。

「まあ、そんなに笑ったら失礼よ。ねえ、シン?」

ヒョリンも笑いながら、シンを見ると、シンは上靴をじっと見つめていた。

 

「この模様は?」

シンは靴から目を離さずそう聞いた。

「あ・・・、こ、皇太后陛下のお部屋にお、お招きされた時に教えていただいて・・・」

「そうか・・・。」

シンは微笑みを浮かべ、靴を見入っていた。