みなさまへ★

 

お元気でおすごしですか。

 

今日は、また、障害当事者のための入所施設内での虐待致死事件のニュースを朝から見て

なんとも 暗く悲しい気持ちでした。ネットで読める、ニュースたくさんあるけれど、これです。

 

【絶えない施設での殺人や暴行 大阪・茨木の障害者施設暴行死】(産経新聞)

https://www.sankei.com/affairs/news/190613/afr1906130019-n1.html

 

こちらの記事も。

【障害者虐待 施設職員の関与増加 相次ぐ死亡事件 「被害は氷山の一角」とも】(毎日新聞)

https://mainichi.jp/articles/20190613/k00/00m/040/105000c

 

… …くやしい。

 

このあいだね「障害者運動」について、障害を持つ方のFB上で

いろんな価値観や考えを読んだり書いたりした日があったの。

 

「障害者運動」って、障害当事者自身が、生きる場所や、差別のない、人権を勝ち取るための運動ね。

 

昔は、障害者の人権なんて、あってないようなもん、っていうか、ないようなもん、だったから。

 

病院を出たいも、施設を出たいも、親元を出たいも、恋愛したいも結婚したいもライブしたいも就職したいも自営やりたいもなんもかんも
「自分たちの着替えもトイレもできない、世話のかかるやつがわがまま言いやがって、できるわけないだろ」

これが世の中の大半の意見であった昔の時代ね。

 

でも、それでも、施設や病院を飛び出した人や
公共のバスや電車に車いすだったって乗せろ!!!と運動した人や、

365日自力だけで探す無給の学生ボランティアさんのみでは、一人暮らしが続かないから、

「介助」という、職業を、国として認めろ!、という運動や(ここらへんは、わたしも、生き方ありかたで貢献したと思ってるよ。)

 

一歩ずつの歴史があって、今があってさ。

 

それで、
「今って障害者運動って力が弱くなったし、やる人とやらない人がいるけど、どう思う?」
みたいな話になって、そこに書かれた個々たくさんのかたの意見を読みながら、わたしはさ、

 

「今は、在宅でも、親が100%看ろっていう一択じゃなくて介助さんが使えるし、

団体での障害者運動を必要としなくなったのだとしたら、

それは、運動しない人は生活環境が、別に困ってないんじゃないの?

(困ってないならそれはそれでいいことだ)」

と、言うような内容の意見を書いたんですよ。

 

だけどさ、本能でもうその自分で書いた意見のその先が自分でわかってるっていうかさ。

ザワッ!!!ってしたんだよね。
書いて読んでから自分で鳥肌が立ったんだよね。

 

(でももし、経済的な支えも、移動介助とかトイレの介助とか、すべての支えも、

すべてのことを『親御さんありき』で組んでいるからこそ、

別に今は困ってない、という人がいたら、

その人って、親が死んだらどうすんの?)

 

と。

 

わたし、この質問を、ほんとマジで小学校から自分にしてたと思う。

 

それで、
「親が倒れたら施設があるじゃん。」
っていうのが、昔の考え方だったけど、
高校くらいまで行けば知恵もつくじゃん。

 

「施設って、ちゃんとしたいいところもそれはそれであるかもしれないけど、

女性障害者なんて、性的いたずらとか虐待とかの温床だよ、絶対行っちゃだめだよ。

男の職員さんに裸にされてお風呂に入れられるんだよ」

と。20年以上前のことだから今とは法律も全然ほんとに違うけど

(障害者虐待防止法、っていう概念がなかったしね25年前じゃあ。)

 

障害者の女性の先輩や後輩同士で、話したり、
当時にして先進的だった、作家の小山内美智子さんや、安積遊歩さんの本を読んで、

 

「わたしたちはどんな生活の場でどんな介助体制の下でどんな友人や介助者や仕事を持ってどう生きたいか」

と 毎日毎日毎日毎日、障害をもつ、私の場合は特には女性の友達とよくしゃべった。

 

今は障害者虐待防止法ができたし。

 

昔よりは、心ある施設だってケアハウスだって、もちろん、増えたんじゃない?

 

公共の電車やバスに乗せないなんてことも間違っても言われない。

 

介助の制度だって昔よりは100万倍まし。


親御さんがいても在宅で介助さんを社会制度として利用できる。

 

でもさ。

 

… …だから安心か?

 

目をそらしているところはないか?

 

これ人に書いているわけじゃなくって。

 

「自分に」言ってるだけなんだけどもね。

 

車いすの小児科医で熊谷晋一郎先生というかたの
『自立とは、社会の中に、依存先を増やすこと』
という超すてきで超有名なインタビュー記事がある。(オンラインで無料でだれでも読めるよ。)

https://www.mugendai-web.jp/archives/8758

これは「mugendai」というデジタルメディアの記事で、他にも、

同テーマのインタビューやエッセイ、たくさんの媒体で発信なさっている。

 

自分の生活に照らし合わせて
この「自立とは依存先を増やすこと」って

もう、真理だよな、って。
読んだ時に一字一句がきらきら輝いて見えたくらい感動した。

 

親元を出て18年くらい暮らしているわたしでさえ、
「私の暮らしには今の介助さんがいるから一生安泰、もう安心」と思うことはない。

 

もしもなにがしかが起きた時
想定外のことで(たとえば地震とかです)
居を移らねばならなくなったとき
全国のどこにだれがいるか
どこになら頼れそうか
だれの家に泊まれそうか(-v-)

 

心の隅の1パーセントくらいに、この「友達の家地図」がいつもある。

それで、この今日の日記は何を言いたいかというと

 

FBには感想を書いた、先週のALS当事者の川口美怜さんの回のザ・ノンフィクションを見ても

 

いろんな知り合いや友達としゃべっても
このニュースを見ても

 

思うのだけど

時代が進んだか、法律が整ってきたかにかかわらず、
個人の暮らしを支える肝心かなめの、
肝のところは
「豊かで多様な人間とのかかわり」だ。

 

「お母さんがいるあいだは安心」
 

「この施設に入れたから安心」

 

「この介護事業所があるから安心」

 

・・・ ・・・と だれだってメンタルが鉄じゃないもの、思いたい、安心だってしたい。

 

でも、「絶対」はない。


性善説に立ったとしてもそれでも「絶対」はない。

 

どこかで、「絶対」はない、っていうことを
肚から解ってないと

障害者運動が全国的に活発だった時代より
最後になって(最期になって、って書いたほうがいいのか)
障害をもつ人もその家族も

大慌てすると思う。

 

障害者や、高齢者や、介助・介護を要する人の

虐待や殺人事件を見るたびに

(全国の入所施設内の高齢者虐待が2011年から8年間増え続けているという

統計調査の新聞記事もネットで見たよ。)

 

「自分は、どういう場所に暮らしたいか」

 

「障害をもつ自分の子を、どういう場所に暮らさせたいか」

 

障害を持つ本人および親御さんは

 

考えて

 

できればいろんな信頼できる人と大いに語って
語りまくって

 

「生きる場を自分たちで作るぞ!!」

という気概をもつことを

止めないほうがいい。

 

障害者運動は、底流にあるスピリッツ(人として、幸福を追求して生きんとする魂の意志)は

流行りすたりの一過性のブームメントとは違うから

 

たぶん

 

「お前もそんなに(ぜんぜんなんにも)障害当事者の団体の運動はやってなかったじゃんか」
と 私に対して良く思ってない人がいるのも承知してるんだけど

 

「生きる場所を自分の手で掴み取る」

ということについては

自分が、介護に疲れた親と無理心中になったり、

介助が無くて死んだり、施設の中で暴力や性犯罪にあったり

殺されないために

 

命懸けで生きてきたから

やっぱり「わたしは、どうしたいのか」を、

できるかぎり人に話して

多様な仲間とのつながりを

絶たないように生きていきたいと思う。

 

「絶たないように」とは、
四六時中ベタベタつるむんじゃなくって
「これについては、どうしたいのか」
という

暮らしでも
仕事でも
遊びでも

このテーマについて、わたしはこう思う とか
あなたはどうですか とか

 

語り合えて知恵を生みあえる仲間が
必要時に必要な分だけ
「いる」
と知りながら生きる、ということ。

 

わたしもまた、だれかにとってのそれ、でありたい。

 

心の手でつながり合える個人でね。

 

みんなでね。

 

生きて行かなくっちゃね


◆スマイルシードプロジェクト◆

第1回バリアフリーお話し会&交流会~笑顔のたねまき~ 
7月20日(土)開場 12:30 開演 13:00 終演 15:00

出演 大野和代(おはなし)朝霧 裕(おはなし)
山口まち子(手話通訳)奥野裕介(ギターサポート)

場所 ギャラリー・カフェ彩喜(全席24席)
(JR「大宮」駅西口より 徒歩約15分
 ニューシャトル「鉄道博物館」駅より徒歩約10分)

トークセッション 13:00~14:00
交流会      14:00~15:00

参加費 お気持ち投げ銭制
ご予約 yuhasagiri@gmail.com

会場住所 〒330-0852埼玉県さいたま市大宮区大成町2の175の5
会場HP https://www.g-saiki.jp/
主催 スマイルシードプロジェクト(代表 大野和代)

※過去のコンサートやイベントで出演者やスタッフへの迷惑行為があったお客様につきましてはご来場をお断り致します。

予めご了承ください。