みなさまへ☆

おげんきでいらっしゃいますか。

 

こんなことばが お腹の底 魂の底から湧いてきて

自分が忘れたくないから 以下に書いておこうと思います。
 

 

わたしの仕事は歌うこと。


あとはエッセイを書いたり
講演でお話をしたり

 

あと これはお給料にはならないお仕事だけど
わたしの介助さんたちに
 

介助の仕事ってすごいよ
人の命と生活の質を
支える
一番の根っこ
根幹の仕事なんだよ

 

あなたたちがいることで
わたしのことも助けてるし
わたしの両親と弟のことも助けてるし

 

だれになにがあっても
年をとって 身体が動きにくくなったり
 

いつなんどき 事故や病気や災害を
予期しないところで 万が一 身にふりかぶっても

 

だれでもが
 

「ああもうこれで人生おしまいだ。
もうなんにもできない
外へも行けない
一生、お先まっくらだわ。」

思わないでいいんだからね?

 

 

人間の 倒れてのちにふたたび起きて

生きることのよろこびに
寄り添える仕事なんだよ

と 伝えるしごと。

 

と、、、言うとうちの10代、20代の介助さんたちなんかはとくに

「だっこさん、わたしたちだって、介助がお仕事で
だっこさんに支えてもらっているんだから
あんまりそう
『いつも助けていただいて なむなむなむ、、、、』と
わたしたちを
たてまつらないでください(-▽ー)
だっこさんは 考え方が昭和だ もう古いです(-▽ー)」

 

と 申してもおりますが

 

まあとにかく

わたしのしごとは歌うことと
 

この身体で生きること。

 

たくさんの 憧れの 障害をもつ先輩たちが
「だっこちゃん わたしたちは
生きることが仕事なんだよ。
社会に出て 生きることが仕事なんだよ。」
と 口々に言っていた。

 

自分が20代前半の若いころ。

 

わたしは自分がコンプレックスのかたまりで
それでも 歌はがんばってはいたけど

心のどこかには
「まわりの 同世代の健常者の友達に
追いつけ追い越せというきもちで
がんばらなくちゃ!!
でも わたしは 就職もしてないし
生活保護を抜け出られないし なにもできないな
まだまだダメだ もっともっとがんばらないと!」

というきもちが いつでもあって

 

「だっこちゃん わたしたち障害当事者は
世の中の隅っこに隠されず
生きて姿を見せ続けることが仕事なんだよ」

そう言っていた先輩たちのことばを
憧れの対象として
アタマでは 聞いていたけれど
心底から腑に落ちていなかった。

 

「でも、まわりの健常者より、、、、」
「でも、わたしなんか、、、、」

 

人と自分を 比べては 卑下してばかり。
 

下を向いてばかり。

 

「歌がわたしの仕事です。
『わたし』がわたしの仕事です。」

と  胸を張って 言うまでには 時間がかかった。

 

でも

それでも15年くらいうたって

 

いま

 

だれに何を言われようが
だれが何と思おうが

 

「歌は 私の仕事です。
朝霧裕を 生き切ることが
わたしの たましいの 仕事です」

 

そう 声に出し 言えるようになった。

 

自分の発言や行動が
特に障害をもつ仲間たちの暮らしや仕事に
どのように影響するか

 

「家族」や「2、3人の友達」より以上の人数の前に

 

「ファンのみなさん」とか「読者のみなさん」
とか言いいながら 自分から
公に出るということは 

少なからず
まだ会ったことさえない他者に対しても影響力を持つ。


その自覚があるから

プレッシャーで
めそめそ泣いたり
ああなったらどうする こうなったらどうすると
目先のものごとを悪いほうへ考えて
未来を疑ったり することもあるのだけれど

 

でも同時に
 

わたしの名前がいままでには知らなかった人、

会えなかった新しい人に知られれば知られるほどに

今までどれだけのファンの人や家族や介助者や友達に
心を守られながら活動ができてきたんだろうなと思うし

 

わたしも 

わたしがどうしたいかを
なんてしっかり 
妥協したりごまかさないで
守れてきたんだろうな

と 思うんだ。

 

自分自身にも人にも
本気で好きでいてくれた人
本気で講演やコンサートに招いてくださった人
本やCDを買ってくださった人・・・ ・・・

 

「好き」で繋がれた道へ
感謝がこみ上げてくる。

 

もうこれって
体験し
生き続けてみなければわからないこと。

 

わたしの仕事は歌うこと。
 

エッセイを書いたり
講演でお話をすること。

 

これは わたしのたましいと
家族や生きている友達

 

それから 
同じような進行性の障害で
わたしより先に亡くなっていった
幾人もの友達が
空から守ってくれているからきっと続けられていること。

 

わたしは進行性疾患の生き残り。


同級生だった幾人かの友達の中の 生き残り。

 

祈りこめて

歌う道が拓き続けますように。

 

この身体は

 

歌の神様にあげます。

 

朝霧 裕

 

朝霧 裕エッセイ4冊目。

「自分を生きたい」すべての人に届きますように。