18世紀の摺り合わせタップ(要はスイングカランなのですが、教えを請うているビアライゼの松尾さんに倣い、当店ではこう言っています。でも、メンドクサイので、オールドタップで!)につきまして、注ぎ手界の重鎮お二方からコンタクトを頂きましたので、少し細かい解説をしようと思います。

 

まず、18世紀後半という表記ですが、製造年月日が刻印されている訳では無いので、あくまで推定です。オールドタップと酷似したデザインのタップについて「非常に珍しいアイテムで、情報はほとんどありません。セントルイス事務所のバドワイザーアーカイブエグゼクティブは、このアイテムは1800年代後半にヨーロッパから来たものであり、おそらくフランスからのものであると述べました。」という記述があり、多分ほぼ同年代のものであろうという推測です。なので、本当に18世紀のものなんか?! という突っ込みはご勘弁下さい(^^;)

 

スイングカランとの構造上の違いですが、まず、閉止弁の穴が○ではなく、長方形。で・・・これ以外は特に違いはございません!(これについては重要なファクターとなりました。後述) え? ハンドルが無い? そりゃ一目瞭然と言う事で・・・。サイズは一廻りとは言いませんが、スイングカランより少々小ぶりです。吐出口の径もそれに伴い細め。

 

肝心の流量は内径8mm、長さ8mのホースで圧1.0時で毎秒約70ml。スイングカランの平均流量が80ml前後なのでかなり近い(現代のタップは25ml)ですが、吐出口の口径が細い分、流速は早いです。びゅーっ、と出てくる感じ。1/4や半開では水流がシャワー状に拡散し、とても注げません。きっちり全開にすると整流となり、注ぐことが出来ます。

 

さて、前述の「長方形」の件。このタップの正体をビアライゼ98の松尾さんやビール変態?! のお客様一同と考察した結果、「ビールのタップには違いなかろう。ただ、閉止弁の穴が長方形である事を鑑み、ガスを使う樽用ではなく、樽に刺して使われていたものではなかろうか」という事になりました。アンティークタップを調べまくって、前述のようにタワーに接続されている、酷似したタップもあった事から、んー、タワーに着いていた可能性も無くは無いだろう、と思っていたのですが・・・。ちなみに「このタップで注ぐのは至難の業かもしれん」というオチもつきました。

 

ですが、もともと天邪鬼な店主、ダイヤモンドだって劈開制があって割れるんだもの、ホースやガス圧、グラスの角度や距離がぴったり合えば、ストンと落としどころに嵌まると信じて、調整を開始しています。当初、凄まじいえぐみと酸味、苦みを吐出していたタップですが、最近では下手なバイトが瞬冷サーバーで注いだ位にはなってきました。ですので、追い込んでいけば使えると思われる、というのが現在の店主の見解です・・・(意地っ張り)。何しろ、座右の銘は「前へ!」なもんで(^^;)

 

当店のビールはアサヒのマルエフです。物語のあるビールを、ロマンのある古(いにしえ)のタップで楽しんで戴きたいなぁ、それが店主の思いです。