チキンライス

 

●材料と作り方●

【主な材料。4人前】
米340g
鶏もも肉1/2枚
タマネギ1/2個
グリーンピース大さじ3~4
水250ml
トマトジュース200ml
ケチャップ大さじ2
バター大さじ2

(1) 米は炊く30分前に洗ってざるにあげ、水を切る。

(2) 鶏肉は1cm角に切って塩・コショウ各少々を振り、下味をつける。タマネギはみじん切りにする。

(3) ボウルに水、トマトジュース、ケチャップ、塩小さじ1/2弱を加えて混ぜる。

(4) 厚手の鍋にバター大さじ1とタマネギを加えてタマネギが透き通るまで炒め、鶏肉を加えてまわり
が自くなる程度に炒める。残りのバターと米を加え、米が少し透き通って重く感じるまで炒めて、(3)を加え、鍋底をこするようにして手早く混ぜ、ふたをする。
生のグリーンピースならふたをする前に加える。

(5) 強めの中火にし、沸騰してきたら火を弱めて15分加熱し、最後に少し火を強くした後、火を止め10
分蒸らし、鍋底からほぐすように混ぜる。缶詰などゆでたグリーンピースなら、ここで一緒に混ぜる。

米を計量カップ(200ml)ではかる場合は2カップです。

1人前約435kcal、 塩1分1.4g
(栄養計算:女子栄養大学栄養クリニック)

 

母のごちそう振る舞う幸せ
料理研究家 堀江ひろ子さん

 堀江ひろ子さん(76)は、和食から洋食まで様々な料理が食卓に並ぶ家で育ちました。
 母の故・泰子さんは、NHK「きょうの料理」に放送初期から出演し、日本の料理研究家の草分け的存在。アメリカで料理を研究した河野貞子さんに師事していました。そんな母の料理はどれも新しく、食べるのが楽しみでした。小学生のころの誕生日にはバーベキューをしてくれたことも。「いま思えばハイカラでしたね。母が お料理上手ということも自慢でた」
 小学校高学年だったある日、校庭で飯盒炊爨をする行事がありました。班に分かれて、好きなメニューを決めます。
 他の班の子たちは、白いご飯にカレーやみそ汁。そんな中、堀江さんは「チキンライスにしよう」と提案しました。白米とは違った「ごちそう」として母が時折作ってくれていました。
 飯盒でタマネギと鶏肉を炒め、米や水、ケチャップと混ぜて炊き込んだチキンライスができあがると、すでに食べ終わっておなかいっぱいになった他の班の子たちも、うらやましそうに集まってきました。「同級生のみんなの前で料理をするのは初めて。みんなに『おいしい』と言われてうれしかったです」
 料理で人を幸せにする喜びにあふれた思い出の一品になりました。
 直接料理を振る舞える相手は限られます。しかし母の仕事は、テレビや新聞を通して、実際に作ってくれた人とその人の周りの人までも幸せにすることができる。「すごい仕事だな」とあこがれ、高校生の頃には自分も母と同じ道をすすむことを決めていたといい ます。
 今回のチキンライスはシンプルな味わいで、オムライスやドリアなどにも応用できます。

ほりえ・ひろこ
1947年宮崎県生まれ。母は料理研究家の堀江泰子さん。日本女子大学食物学科卒業後、料理研究家としてテレビや雑誌などで活躍。電子レンジやフードプロセッサーを活用する時短レシピが得意。娘は料理研究家のほりえさわこさんで、共著に「おいしい味つけ 1:1:1の便利帖」など。

(構成・寺田実穂子)


金曜掲載 人生レシピ
朝日新聞 2024年(令和6年)3月1日(金)