「リーマンSS」全文掲載♪ | cafe801

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池袋乙女ロードに『乙女のための図書館』を開いてしまった!

みなさま、こんにちはビックリマーク

4/11(金)にCAFE801で行われた
第12回 BLteatime テーマ:リーマンにて
作成されました「リーマンSS」の全文掲載ですビックリマーク

ぜひご覧くださいませ音譜そしてご感想もお待ちしておりますニコニコ



攻 【工藤】パッと見チャラめな真面目部下
受 【服部】初老の定年間近な係長

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朝目覚めたら、股間がカピカピになっていた。
「ん・・・・・・?」
普段はテントになっているボクサーを気にするのに
今日は何故か乾いてる。
隣に肌の感触がする。
これも乾いている。
「ん・・・・・・あ・・・・・・」
この乾いた肌はなんだ。
この乾いた股間はなんだ。

か・・・・・・
かかりちょう!!!!!!!!!!!!!!

昨日の出来事を急いで思い出す。
「お・・・・・・思い出せない」
この色々乾ききっている状況が
潤っていたであろう昨晩を思い出すことができない。

疲れた目尻で眠る係長を目の前にして
ただただ、逃げるように部屋を後にした。



翌朝。
会社に行くのが本当につらかった。
しかし
会社に来ないわけにはいかない。
重いため息をつきつつ、部署のドアを開けると……。

「おはよう」

にこっと笑って、微笑む彼。
その瞳の奥には戸惑いが見え隠れしていて。

そうか、彼もまたこの状況に戸惑っているんだ。
そう思うと、なぜか心の奥にほの暗い何かが湧き上がってきて。

思わず、くすっと笑みをこぼした。
その笑みにびくっと肩を震わせる係長。

このままなかったことになんかさせるもんか。
覚えてはいないけれど、湧き上がる独占欲。

オレは自分の感情をもてあましつつ、係長に挨拶を返さないまま
彼の横を通り過ぎたのだった……。


ランチタイムを待ち、接触をはかった。
少しでも昨晩のことを思い出せない自分に腹がたつ。
思えば、あの人のことを少しでも意識した時から
特別な関係になりたいと思っていたのかもしれない。

「隣、いいですか?」
面白いくらいに背中がゆれた。
この人はどのくらいオレのことを知っていてくれてるんだろう。
いまさらなことが気になるけれど、それよりも
今すぐ自分のものにしたい気持ちが強いし・・・追い詰めてでも、
何をしてでも全てを手に入れたい。



あの日、自分に何が起こったのかわからなかった。
起きたら、なぜか裸でベッドに一人で。
しかも見知らぬホテルに居た。

あの日は確か、会社の懇親会でべろべろに飲んだことまでは覚えている。

「……っ!?いた……っ!?」

年のせいだろうか?
起きて覚醒するまでが結構早いことが自慢で。
しかし、今日ばかりはそれを後悔した。
状況に驚いて、勢いよく起き上がってしまったのだ。

その結果。

腰に感じたのは大きな違和感。
いや、あえて言おう。
腰よりもっと下、その…お尻の方が痛かったのだ。
何か挟んだような違和感、そして激痛。


思い当たらぬ節がないわけではない。
むしろ昔、それこそ若い頃には何度も味わった違和感。
最近はご無沙汰だったはずなのに……。

ふと、床に目をやると
そこには何処かで見たことがある、ネクタイが落ちていて。

このネクタイの持ち主が、自分の相手なのだろう。

そっとネクタイを手にとると、そのままのろのろと散らばっている
自分の服を着始めたのだった。

もう、会社に行かないと。

こんなときなのに、自分の思考が嫌になる。
真面目に勤めたって昇進するわけではないのに。
それでも、休むという選択を選べない。

そんなことを考えつつ、部屋を後にしたのだった……。


END
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