「ぜひ、その方を紹介して下さい。どうすれば会えるんですか?」
「そのコーチは羽賀さんといいます。私から羽賀さんにお伝えしておきますよ。名刺などはお持ちでないですか?」
「あ、これをお願いします」
上山はあわててポケットから名刺を取り出す。
「では、羽賀さんにこちらを渡しますので。連絡があるまでお待ち下さいね」
上山の心はこれで一つ落ち着いた。自分がコーチングを学び、娘の紗代やみんなのためになれると思うと心が弾んできた。
こうしてしばらくは連絡待ちとなった。が、それは意外にも早く訪れた。
カフェ・シェリーに行ってから2日後、突然上山の携帯電話が鳴った。見知らぬ番号だ。もしかしたら、という思いで慌てて電話に出る。
「はい、上山です」
「あ、上山さんですね。ボクはカフェ・シェリーのマスターから紹介されたコーチの羽賀と申します」
「羽賀さん、お待ちしていました!」
待ってましたとばかりに心が踊る。
「コーチングを習いたいということですね。もう少し詳しいお話をお聞きしたいので、近々どこかでお会いできませんか?」
こうして羽賀コーチと合う約束を取り付けた上山。待ち合わせは今度の土曜日の午後、カフェ・シェリーでとなった。
〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーを一気に読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/