【小説】Cafe Shelly next

【小説】Cafe Shelly next

喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「具体的には投資信託をご紹介して、その中で御社の希望に合うような組み立てをアドバイスします。原則的には長期的な目線で見ていただくことが必要になります」

 

 個人投資家であれば、短期の信用取引で比較的短い期間で資産を増やしていくようにする。これは投資に充てる時間があることを前提としている。

 

 しかし企業の場合はそうはいかない。株式チャートに張り付いて、いくつもの銘柄を見て瞬時に取引なんて、それだけを行う専用の人をつけないかぎりはうまくいかない。そのため、長期で資産を増やす戦略を提案しているし、その方が企業にとってもやりやすくなる。

 

 今回もその契約で進めることにはなった。というか、相手は株の素人なのでそう言いくるめた、と言った方がいいだろう。そうしなければ、俺も四六時中企業を相手にするわけにはいかないのだから。

 

 契約した翌日、俺は早速光洋機工へと出向き担当者と会うことになった。だが、その担当者と会って面食らった。

 

「えっ、君が株の運用を担当するの?」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 そう言って俺に名刺を渡してきたのは、今年大学を卒業したばかりの新入社員の男性、木持騎士という。

 

「これ、下の名前なんて読むの?」

 

〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話をAmazonの電子書籍で読むことができます
https://x.gd/EbZwg