【小説】Cafe Shelly next

【小説】Cafe Shelly next

喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「こんにちは。ボクはフリースクール『ここから』に通っている小学五年生です。すでにボクの映っている動画を見た人もいると思います。今、日本はすごく危機的状況にあるとおもっているので、思い切って顔を出してみなさんにこれからボクがどうしたいのかをお伝えしようと思います」

 

 輝は自分の胸の内にあったことを伝え始めた。そしてこんな呼びかけを。

 

「けれどボクはまだ小学五年生で、何一つ満足にすることはできません。そこで大人のみなさんにお願いです。ボクを助けてくれませんか?どんな形でもいいんです。ボクに協力をしてくれる大人の方を募集します」

 

 この動画配信は大きな反響を得た。応援コメントがほとんどで、自分も協力するという趣旨は書かれているのだが、具体的にどう協力してくれるのかが不明確なものばかり。

 

 だが、そんな中で一人、驚く人が輝の協力を名乗り出た。

 

「こんにちは。河原正木です」

 

 河原正木。彼はとある県の小さな自治体の市長である。若くして立候補し、政治改革を高らかに掲げて当選をした。だが、議会の古い体質の議員との対立となり、その動画が話題となっている人物である。

 

「輝くんの思いを受け止めました。具体的なことを話ましょう」

 

〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーを一気に読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/