言語の本質
ことばはどう生まれ、進化したか


    今井むつみ・秋田善美

         (中公新書)


わかりやすくておもしろく読み進められる部分と、意味がストンと入ってこない部分がありました(後者の方が多い)。


わかるまで繰り返し読んでいるとかなりの時間がかかりそうなので、そこは立ち止まらずに先へ。


それでも、2回ほど読み返しましたが😓


読みの浅さが恥ずかしいのですが、少しだけ理解できたことを簡単にまとめました。


「記号設地問題」

初めて聞く言葉です。


大雑把に説明すると、名前は知っているけど、見たことも食べたこともない果物があるとして、それを知っていると言っていいのか、ということでしょうか。


その答えに行き着くために「オノマトペ」についての説明がかなりの量で語られています。


「オノマトペ」


    

擬音語、擬態語、擬情語として括られることがある。


世界的な定義としては


鉛筆 感覚的なイメージを写し取り


鉛筆 特徴的な形式を持ち


  比較的多い形式として

       重複形

    「ドキドキ」「サラサラ」

 などがあげられる。


鉛筆新たに作り出せる語


       と言われている。



このオノマトペが子どもの言語習得の足がかりとなり、ことばへの興味をもたせ、ことばについての学びを深めていきます。



    

だから子どもはオノマトペが大好きで、子ども向けの絵本にはオノマトペがあふれている。


大人も子どもに語りかけるとき、子どもが小さいほどオノマトペを頻繁に使っている。


絵本の例として谷川俊太郎・元永定正氏の『もこ もこもこ』があげられています。


しーん もこ もこもこ にょき もこもこもこ…


たんに子どもにとって楽しいことばだと思っていたのですが「オノマトペ」という言語に分類されることばだったのですね。


人間が抽象的な言語を習得していく過程についての研究で、動物との違い、AIとの違いについても語られ、それが最初にあげられた「記号設地問題」へと戻っていきます。


このあたりはとても難しくて、わたしには説明できないので、よかったら実際に読んでみてください😅。






オノマトペに始まって子どもが言葉を習得する様子を紹介する章に、新聞の投書欄に載っていた楽しい記事があり

ました。


おばあさんがお客様にお茶を出すとき


『粗茶ですが』


というのを聞いて、自分の猫を抱えてお客様に見せながら


『ソネコです😿』


と言った子どもの話です。


子どもがおばあさんに


「どうしてお茶じゃなくてソチャと言ったの。」


と聞いたとき


「お客さんにはソをつけるんだよ。」


と言われたのです。


そのとき


「あまり上等のお茶じゃないけどという意味だよ。」


と説明されていたら猫にソはつけなかったかもしれません。


でも、大きくなって正しい答えを知ったとき、子どもがどんなことを思うのか想像すると楽しくなります。

それも習得の方法の一つ😊




我が家のソネコ😾



わたしも子どもの言い間違いや勘違いが好きで楽しんでいました。


孫が小学生のとき、ニュースで


「軽い怪我ですみました。」


と言うのを聞いて、手のひらの上で何かを計る仕草をしながら


「怪我が軽いってどういうこと?」


と聞いてきました。怪我に重さがあると思ったのでしょう。


こんな時代がなつかしい…

と、話がすぐそれてしまいます。