おしどり夫婦
昨日、遺言を預かる夫婦が亡くなりました。
本当に仲の良い夫婦でした。
その老夫婦には、ご子息がお二人いらっしゃいました。
お二人とも優しく、また思いやりある家庭を築いておられました。
それぞれのご子息夫妻から、何度も同居を勧められましたが、
お二人はそれを頑なに拒みました。
「私たちは、ラブラブな夫婦だから、水入らずがいいのよね。」
と奥様は言っておられましたが、実際は足腰の弱った夫の介護負担を誰かに委ねることを、お二人とも気兼ねしていたんだと思います。
昨年から、奥様も心臓が弱ってきたため、流石に二人っきりで暮らすことに無理が生じ始めたので、老人ホームに入居することを勧めました。
お二人ともかなり悩まれましたが、息子たちに迷惑をかけるわけにはいかないと、入居を決意されました。
その矢先に、奥様が買い物途中で救急車で運ばれました。
脳梗塞でした。
息子さん達家族が病院に集まりました。
ご主人も本来動ける状態にはありませんでしたが、本人の希望で無理やり車椅子で病院に駆けつけられました。
黒猫はこの時点でご長男から連絡を受けました。
長い長い緊急手術だったそうです。
結局、奥様の意識は戻りませんでした。
お孫さんの話では、家族の見守る中、ご主人に頼まれて車椅子を奥様に近づけると、ご主人は奥様の耳元で一言二言呟くと、車椅子を病室から出させて待合室の長椅子で横になったそうです。
「お爺は少し横になるから、ばあばあを見てあげてね。あとでオレンジジュースを買ってきて。」
そういうと目をつぶったそうです。
奥様が息を引き取ったのはその日の夕方でした。
お医者様がご臨終を確認すると、お孫さんがご主人を呼びに行ったそうです。
その時まだご主人は横になっていましたが、流石に起こさざるをえなかったので、お孫さんが揺り動かし声をかけたそうです。
けれども、ご主人はその時には既に息をしていなかったそうです。
黒猫が病院に着いた時には、お二人とも天に召されたあとでした。
そのあと手続きにバタバタしましたが、ひと心地ついて、夜空を見上げながら
「本当に仲の良い夫婦だったんだなあ。」
と、つくづく思いました。
そういえば、だいぶ前に見た映画で「きみに読む物語」という恋愛映画があった気がします。
確か、あの夫婦もこんなラストだった気がします。
言葉にならない1日でした。
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アルジャーノンに花束を
ある調査で
「科学の進歩は人を幸福にするか?」
との問いに
米国の高校生の68%はイエス!!と答え
中国は84%、韓国は56%だったそうです。
対して日本の高校生は35%・・・・。
日本の若者の死因のトップは自殺です。
これは世界で7番目だそうです。
そして、世界で一番自殺が少ない国は
北極のイヌイット族
わずか1%だそうです。
それも、最近までは0%だったそうです。
文明が入るまでは・・・・。
科学の進歩が、必ずしも人を幸せにしない
人間が、踏み込んではいけない領域がある
なんだか、そんな気がします。
大学の教授が
人は孤独を感じるのは
田舎よりも都会だ
・・・と言っていました。
インターネットの普及は
本来なら 見なくていい
他者から見た 自分の姿を
鏡のように 見せてしまう気がします
ふと、名作の
「アルジャーノンに花束を」を
思い出したしまいました。
彼は、賢くない時の方が幸せでした。
賢くなることで
周りのこと、自分と他人との関わり・・・
色々考えて苦悩しました。
人は適度に間抜けな方が
幸せなのかもしれない・・・
そう思います。
これ以上の科学の進歩は
人を不幸にする気がして
ならないのです。