強風の3月6日、看板は壊れるし、裏口のドアのガラスは割れちゃうし…


夕方から夜にかけては、春の嵐、雨風が強いという天気予報。


ああ、裏のガラスはどうしよう。




マスターと二人でドアを見つめつつ、


「とにかく、何かでふさがないと…」


目の前に段ボールの空き箱が。


「これはどう?」


「ちょっと足りないけど、とりあえず…」


ガムテープでがっちりと留めました。




……




「ガラス屋さんにお願いするんだよねぇ~」


「こんな強風で、ガラスの入れ替えなんてできるのかなぁ…」


なんだか、とてもじゃないけど今日中に直る気はしない。




「とりあえず、大家さんに知らせてくるよ。」


と、マスターは隣に住む大家さんの家に行きました。




帰ってくると、後を追うように大家さんが来てくれて



取り急ぎということで、さっきの段ボールより


遙かに丈夫そうで、大きなもので空いた部分を塞いでくれました。


「ありがとうございます!!」


ちょっと安心、だけどやっぱりこれでは、泥棒は簡単に入れちゃうよねぇ…


「とにかく、ガラス屋さんに大家さんから電話してくれて


 状況を確認しにガラス屋さんが来てくれるって」


きらり~^☆


心に光りが差しました。




ホッとしたら、すぐにガラス屋さん登場!


もう、心が弾みますぅ~


 


あれれ、ガラス屋さん帰っちゃったぁ~?


「他にも仕事があって、ガラスを入れるのはそれが終わってからだって


 でも、6時頃には来られるって言ってたから」


とマスター。




ん~、天気予報では6時頃から雨が降り始めるって…


間に合うといいけど…




って、30分もしないうちにガラス屋さん登場!!!


細かい事情はわからないけど、


早く来てくれるなんて、もう うっれしぃ!!!




作業が終わって裏口へ行くと、ドアごとない。


穴が大きくなっちゃてるじゃないぃ~!!!!!


「ここじゃ作業できないから、ドアをはずして持っていって


 ガラスを入れ替えるんだって」


とマスター。


ほっ。でも思いっきりオープンになっちゃった、この店。




そんなことをしてると、心落ち着かず仕事が手に付かない…


ふと外を見ると、常連のお客さんが向かってきます。


あっ、鍵開けなくちゃ!


入り口のドアは強風で勝手に開かないように


鍵を閉めていたのです。


慌ててかぎを開けて、ドアの取っ手を持って開かないように気を付けます。


そして、お客様がいらしたと同時に


「いらっしゃいませ!」


とドアを開けて招き入れます。


いつもより丁寧な招き入れ方に、ちょっと驚いてる様子。


注文を聞いて、マスターがパスタを作っていると、


ガラス屋さんが戻ってきました!


「ちょっと、風が強くて1人じゃ大変だから手伝って」


とマスターに言われて


「よろしくお願いします。どこか押さえてましょうか?」


とガラス屋さんのところに行くと


「ありがとう。」


となんだか、優しそうなガラス屋さん♪


強風の中、作業はちょっと大変だっけど


なんとか無事終了!


「ありがとうございました!これで安心して夜を迎えられます!」




もう、マスターと私は笑顔満面!


パスタを食べ終わったお客様が帰るとき


少し不思議な顔をされています。


で、ちょっと事情をお話して、


「今ホッとしてるんです!」


というと、


「どうりで、なんか楽しそうな笑い声が聞こえるなって


 思ってたんですよ!


 


大家さん、ガラス屋さん、本当にありがとうございました!


救いの神の登場で、一件落着なり。


マスターの背中も大きく戻りました。