確か、何かで読んだことがあります。
ずいぶんと前のこと……。
麻薬に手を出すと、どんな末路を辿るか、何人もの連中を見てきたから、オレは絶対にしない……。
ルー・ドナルドソンの言葉だったような、そんな曖昧な記憶があります。
間違っていたら、ご容赦願います。
高校生の頃、手にしたレコードのひとつに『サキソフォン・コロッサス』があります。
地下へと続く階段を降り、重い扉を押し開ける。
そこは、アルコールの匂いと煙草の煙が充満したフロアー。
前方には、ほんの少しだけの段差がついたステージ。
各テーブルでは、脚を組んだり、腕組をしたり、顎に手をかけたり……。
そんなイメージを『ブルー・セヴン』を聴いて思い描いたものです。
ある種、憧れのようなもの……。
人の振り見て我が振り直せ、ということわざ。
歳を追うごとに身に染みる想いです。
1950年代は、逞しく、エネルギーに満ちた演奏。
レコードやCDでしか聴いたことがないですが……。
リアルタイムで買ったレコードのひとつに『リール・ライフ』があります。
このアルバムで聞くロリンズの音色は、テナーに思えないほど軽やかです。
そして、増尾好秋さんが参加されているこのアルバムは、今でも大のお気に入り……。
生と死には、明確な境界線はないとのこと。
一本の線は、ずっと続いていく、ということのようです。
仏教的観点からですが……。
そう思うと、ロリンズは、次に何を極めるつもりなんだろう、とついワクワクしてしまいます。
マッチやろうそく。
火を灯せば、いつかは消えるもの……。
とは言いつつも、一抹の寂しさを覚えます。

