今日は、外は雨。

朝からずっと、同じ感じの降り方です。

冬の終わりを惜しむような、春の訪れを匂わすような……。

 

レコードを引っ張り出し、ベン・ウェブスターの『ダニー・ボーイ』に耳をそばだてます。

インテンポなのに感情豊か。

フレーズが進むにつれ、滲みだしてくる滋味。

 

お寺の裏庭に面した縁側で、お茶をすすりながら、雨の中、時折耳に入り込んでくる鹿威しの音にしみじみと安らぎを感じるような、そんな演奏です。

 

目の前で、こんな演奏をされたら鳥肌ものです。

 

スイング時代を生き抜いてきて、この歳で尚も現役。

1953年の録音です。

ベン・ウェブスターのテナー・サックスのショウケース。

 

キザですが、若い頃、夜の晴海、フェンスに両腕をかけ、隣を意識しつつ、エルヴィスの『ラヴィング・ユー』をぼそぼそと歌ったのを思い出します。

ホホホ……。