どんな瞬間でも、あっという間に過去へと流れて行きます。

ま、それの繰り返しでしかありませんが……。

言い換えれば、目的地への距離が縮まったように思えても、また同じだけ距離が伸びていくような感覚……。

ま、それもそのはず。

見たい景色は、階段を上るにつれ変わっていくものです。

 

まだ、作品という香りを留めていた頃のレコードだったり、CDだったり……。

書籍も同じですね。

プロデューサーやアレンジャー、また、編集者の存在は、よりよい作品を作るにあたっては必要不可欠な要素。

その人ひとりの能力よりも、そのひとの能力を認め愛する人がそばにいることで、その人の魅力をさらに向上させ発展させていきます。

よく言われる、1+1が単なる2ではなく、それ以上になるという論拠のように思います。

 

それは、仕事を通しても、つくづく実感させられます。

また、家庭においても、同じように痛感します。

 

軸になる人の能力は必要ですが、その能力をサポートする人があってこそ……。

 

そこには、正論ではなく、お互いさまの要素が非常に重要になってきます。

 

今も昔も、お金がものを言う世界。

サリエリばかりでは、よい流れは生まれないものです。

 

お互いを認め、高め合う関係性。

角を突き合わせる関係性を過ぎれば、今度は膝を交える間柄へと……。

結局は、どんなことでも人と人。

そうなら、人ってそういうもの、という前提を持っていれば、ある程度の波はくぐれるものです。

 

人との縁に恵まれている自分は本当にラッキーですが、それはつまり、自分の未熟さを補って頂いている証のように思います。

仕事では、従業員を指導しつつも、人間的にはまだまだ未熟者……。

 

続いていたトム・ダウドとは違うプロデューサーを迎えてのロッドのアルバム。

今夜は、ロッドの『今宵焦がれて』でも聴きましょうかね。

確か、当時お酒か何かのCMに使われていたように記憶しています。

太宰、サリンジャーには、作品によって通底するものを感じますし、また、ある意味それはロッドにも通じているのかもしれません。