ふと過去を振り返ったとき、いい時代だったなぁ、と感じる人も多いと思います。
それぞれの時代に漂う空気は、独特の雰囲気を持っていました。
個人的には、ことあるごとに、いい時代を過ごさせてもらったな、とつくづく思います。
一日の終わりの入浴時。
しあわせを感じるとともに、ラッキーだったことへの感謝も……。
確か、小中学生の頃、1ドルが約360円くらいだったと思います。
ロッキード事件が巷を賑わせていた頃のこと。
そして、中学生の頃、資生堂がタクティクスを新発売。
匂い袋なるものを学ランの胸ポケットに忍ばせていたのを覚えています。
高校生になると、小林克也さんのアメリカナイズなナレーションのMTVが大流行。
ブラウン管からは、オールディーズが数多くのCMを彩りました。
でも、そんな記憶を共有できるのは、自分の年齢からプラス・マイナス2歳ですかね。
兄弟姉妹がいる人は例外ですが……。
理由は、学校制度のように思います。
小学校は6年。
でも、確かな記憶は3年か4年あたりから。
中高ともに3年。
そして、その上は、2年か4年。
また、6年と……。
どうしても、多感な10代だからこその溝が出てきてしまいます。
私は、中学生の頃、アース、ウィンド&ファイヤーのレコード『天空の女神』を買ったものの、まるっきりのディスコ世代でもなく……。
『フラッシュダンス』は観たものの、『サタデーナイトフィーバー』はすでに過去のモノ。
オールディーズど真ん中世代です。
父と母は、オリジナル的なアメリカンポップス全盛期。
高校生の頃、母親に、『エルヴィスのレコードを買うから、お金貸して』とせがんだことがあります。
リニューアル新譜的なアルバムです。
『思い出の指環』なんて、よく高校生の頃歌ったものです。
夜はスナック、昼は喫茶のお店で。
当時は、8トラでした。
あとは、ポール・アンカの『ダイアナ』とかも歌いましたね。
高度成長期における最後の隆盛期ですかね。
社会人になったのが、バブル後期。
オールディーズのライブハウスに、ジュリアナから流れてきたと思しき連中がよく来ていました。
まぁね、ちょっと鼻で笑ったものです。
『踊れんのかよ』的な心持ちで……。
ま、当時の私は、鼻持ちならない連中と同じ階層だったかもしれません。
今思えば、可愛いものですけどね。
ホホホ……。
時代の趨勢とともに過去の残滓に触れるたびに、様々なものに対して、確かな価値が存在していたことに気づきます。
宝物のように大切に抱えたレコード。
面倒だけれども、その都度オイルを充填しないと役に立たないライター。
一日の終わりにリューズを巻いていた時計。
重いけれど、極上の暖かさで包んでくれるカウチンセーター。
まだまだ断捨離にはほど遠い自分に苦笑い。
まだまだ要らないものが増えていく自分に、ま、いっか的な承諾さえ簡単に与えてしまいます。
おそらく、前世はなまくら坊主だったのではないですかね。
そんな気がしてなりません……。
女の子だけではないですからね。
楽しいことが好きなのは……。
MTVでもよく観ました。
発売当時は、『ハイスクールはダンステリア』でした。
でも、今は、そんな言葉はどこにもありません。
原題の『Girl just wanna have fun』をカタカナ表記しています。
これも、時の流れに埋もれてしまったモノのひとつですかね。



