なかなか完成形とはいかないもの……。
先日のジャズセッションでの『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』。
今回はテンポを120でお願いして吹いてみましたが、これがなかなか。
しっとりとしたメロウな感じで吹きたいと思うので、ホホホ……、次回はもう少し遅めのテンポでお願いしようと思います。
ま、ベスト・トラックとはなかなかいかないもの。
演奏はもとより、判断するその人そのものの健康状態や精神状態によって、その都度納得できるレベルは変わってきます。
あのブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンは、おそらく完璧主義者。
個々のソロの出来よりも全体の演奏の出来を重視されたようです。
ステレオ録音を導入した際、全体的には満足、ただピアノのパートだけは別のテイクと入れ替える……。
気持ちはわからなくもないですが、パーフェクトというものは永遠に叶わないような気がします。
限界効用逓減の法則ですかね。
初めて味わう悦びは、回を重ねるごとに奪うように熱を下げていきます。
諸行無常の響きあり、です。
その事を踏まえていれば、楽しみはずっと続くもの。
でも、いい加減はイヤですけどね。
あくまでも、姿勢はストイック。
上達への熱情の炎をずっと焚き続けたく思います。
下敷きは、いつまでも20代の無防備に発熱していた頃……。
You Can Have Me anytime...