どんなことも、プラスとマイナスの側面を備えているもの。

手に入れるものがあれば失うものも……。

 

意志が強ければ、その分犠牲は尊さを増していきます。

 

今やモノが溢れ、蒼白い情熱がはびこっている時代。

 

でも、ふと振り返れば、大切な何かを失っていることに気づきます。

 

今、目を細めて見ている『あしたのジョー2』。

リアルタイムで見ていたのは高校生の頃。

ぬるま湯に浸かりながら、茫然と未来の地図を思い浮かべていたあの頃。

 

今の私は、その頃に描いていた地図上ではなく、まったく違った地平にいることでしょう。

その頃の私は、今の私を見てどう思いますかね。

 

ただ、時間の経過とともに手のひらの隙間からこぼれ落ちていったモノを、『あしたのジョー2』を通して改めて認識できるような気がします。

 

いくつになっても、そんな側面を心のどこかに持っていたいもの。

やせ我慢のような意地。

一見向う見ずに見えるほどの強がり。

それに、真っ赤に燃え上がる情熱。

 

真っ白になる胸中。

ある意味、今でも憧れてしまいます。