雨がやみ、晴れ間が出てきました。
下り坂があれば上り坂があるように、退屈しないようにうまくできているのかもしれません。
と言っても、陽射しだけを通過させる天井を備えた舗装された道路を歩いていては、なんとも言えぬ風情のなさのようなものを感じさせます。
やっぱり、気というか風の存在が大きいのかもしれません。
それは飾られた表層的なものではなく、長い年月をかけて培われた風土のようなもの。
若い頃のアパレル時代。
百貨店へと営業に向かい、課長補佐と商品の打ち合わせ。
その際、いつものトラッド系ではなく、稀に着る3型と言われスーツでお会いしました。
『いつもと感じが違うね、どこの?』
『あ、おわかりですか。これね、ディオールです』
そう言うと、課長補佐は
『やっぱり、いいね。たまにはそういうのを着るのも』
なんて、笑顔で頷いておられました。
本当は、駅前のお店で売られていた、どこのブランドのものなのかわからないイチキュッパの代物です。
その時に思ったのは、人の感覚とはそれほどに脆く危ういもの、ということです。
身の丈以上に飾る必要はないものの、最低限の存在意義は忘れたくはないものです。
その時々に見合ったリズム感を楽しみながら、体温を調節していこうと思います。
先日届いたワクチン接種クーポン券。
まだ開封していないので詳細はわかりませんが、いつ頃でしょう。
いつの時代の人も、いつだって明るい未来を想像していたはず。
そうなることを強く願います。
ソニー・スティットの来日時に録音されたアルバム。
こういう仕事は、日本人は得意ですね。
1000円で手に入れられるささやかなしあわせです。


