どうしても自分も欲しいから、
みんな持ってるから、買ってよ!
とせがむと、母親には『人は人、自分は自分』、なんてよく言われたものです。
クリフ・リチャードの『ラッキー・リップス』という曲が好きな所以です。
人にはそれぞれの考え方があって当たり前。
それは、正誤だけの定規では決して測れないもの。
川に似ていて、時間をかけて形成されていくように思います。
水面は輝いていても、川底にはいくつかの岩が残っていたり……。
大人になってわかること。
親になってわかること。
年を追うごとに、腑に落ちることが少しずつ増えていきます。
プラス、マイナス、イコール・ゼロ。
いいことも悪いことも。
過去の残滓を掌に乗せて、そっと息を吹きかければ、必ずと言っていいほど音楽が聞こえてきます。
今、頭上を覆う雲は、確かな質量はわからないものの、ひどく重く感じられ、息が詰まるほど……。
濃いねずみ色の蓋は、無力感を増長させるばかり……。
今は、やる気さえ、雲の中。
ちょっと甘えたい気分です。
音楽で言えば、こんな感じですかね。
クリード・テイラーは、ジャズをどんな形にも変えてしまうマジシャンのようなプロデューサーですね。
ジャズを聴きはじめた頃には、まったく手が伸びなかったのすが、今ではまったりしたい時に聴きたくなるアルバムのひとつです。
ガボール・ザボの『放浪者』。
おススメです。


