♭2つのダニー・ボーイ。
出だしの、4分休符・ラー・シー・ドー・レー~、ド・レ・ファ・#ファ・ソー・♮ファー・レ・ドーシー・ラー。
先日のレッスンの時に、しっかりと音が鳴っている、と先生から褒めて頂きました。
思えば、はじめて2年と少し。
方角は定まっているものの、自分の立ち位置があまりにも進んでいないことに、心地よい驚きにほんの少しの苛立ちが混じります。
万里の長城から遠くを見渡し、夢を見つつ、東方への希望を胸に足を踏み入れた旅人の心境です。
まだ見ぬ世界や味わったことのない感動に触れてみたい、という欲求が唯一の推進力。
レッスンごとに出会う新たな発見は、好奇心を掻き立ててくれるもの。
タンギングの難しさに悪戦苦闘です。
フトゥー~、という言う感覚でやってみて、と先生。
レッスンが終わる頃には、ほんの少しだけ綺麗な夕陽が見えてきたように思いました。
そういうものなんですね。
どんなことも。
いいこと、わるいこと。
うまくいくこと、またそうでないこと。
悦びや痛みなんかも……。
どれだけジレンマをポジティブに受け止めるか、で加速度は変わっていくものです。
セイルの大きさは身の丈に合わせて、その時々の風を気持ちよく受けては流していきたいものです。
ゆっくりと着実に。
未来を見つめながら……。
――
クレイジー・エンジン
ばらばらのロンリーを
すり抜けて here comes the night
すべてをスタートラインに戻して
ギアを入れ直している君
オールナイト・ムービー
入り口の前ではくわえタバコのブルー・ボーイ
たったひとつだけ残された最後のチャンスに賭けている
――
気持ちは、いつまでもあの頃のままのような気がします。
佐野元春の『ダウンタウンボーイ』、今でも時々このフレーズを口ずさみます。

