昨日は、いろんな所で人の流れが起きたみたいですね。
ようやく淀んでいた川が、音を立てて動き出すみたいに。
どんなことにも二面性はあるもので、その点を留意していれば、一歩を踏み出す勇気は出るもので……。
真意はどうなんでしょうかね。
面倒なことには巻き込まれたくない、という心理がそうさせたのかもしれませんね。
半ば強制的ともいえる審議のおかげで、私のようなものまで名前を覚えてしまうくらいです。
先送りとなった途端に、奇妙に思えるくらいの違法行為により、それを踏まえての辞職。
当の本人にしてみれば、肩の荷がおりたのかもしれませんね。
退職金も、しっかりおりるみたいですしね。
――
世界じゅうの敵に降参さ 戦う意思はない
世界じゅうの人の幸せを 祈ります
世界の誰の邪魔もしません 静かにしてます
世界の中の小さな場所だけ あればいい
おかしいですか?
人はそれぞれ違うでしょ?
でしょでしょ?
だからお願いかかわらないで そっとしといてくださいな
だからお願いかかわらないで 私のことはほっといて
――
『泣くな、はらちゃん!』の挿入曲、『私の世界』の歌詞の一部です。
自分の知らないことには貪欲で、でも相手を傷つけることは絶対しない。
そんな主人公の無垢な立ち回りに、あの頃、毎週土曜日を待ち遠しく思っていました。
同じメロディーで、歌詞の違うラブソングもあるのですが……。
ネットによる誹謗中傷で命を閉ざす。
なんとも虚しい結末です。
匿名だからといって、責任から逃れることはできません。
冗談でからかっていたのが、しまいにはイジメへと姿を変えていくのと同じですね。
何かに関わる、ということはそれなりの責任を伴う、ということをつねに頭の片隅には置いておかなければなりません。
優しい言葉をかけるにも、呑み込む責任を踏まえないと、それは上辺だけの社交辞令に過ぎません。
見て見ぬ振りも、ある意味では優しさのように思う時があります。
立場や距離にかかわらず共感してもらえるのは、とても嬉しいことです。
このところ、ちょっぴりそんなしあわせに浸っています。
それぞれの小さな世界が、自分を守る盾になるのではなく、双方を理解する上での最小公倍数になっていくといいですね。
デビューあたりは、アーシーなカントリー、ブルース色を感じさせますが、レコード会社との契約か何かでお蔵入りになっていたアルバム、『アウト・オブ・ザ・ブルース』。
もう、カントリーの枠だけでは収まりきらない懐の大きさを痛感させてくれます。
それに、デビュー時に比べ、ずいぶんと洗練された感じ。
リラックスした中でジャズやリズム・アンド・ブルースを歌う彼女は、カッコいいですね。
その人なりのバック・ボーンが鮮明に出てくるカヴァー・アルバムには、濃厚な美味しい成分がたっぷりと入っています。
いくつか持っているリタ・クーリッジのレコードやCDの中で、異色ながらも大好きなアルバムです。




