今日も晴れていますね。

いつも通勤時に通る小さな峠。

思わず車を左に寄せて、桜並木にケータイをかざします。

 

昨日も、音楽データを入れながら懐かしさに酔っていました。

塵も積もれば山となる。

うちの場合は、埃ばかり溜まって通帳にはなかなか積み上がりませんが……。

パソコンの前に座っていると、犬が足元に絡んできます。

ささやかなしあわせを感じるひと時です。

 

20代半ばくらいですかね。

郊外の百貨店に販売応援に行った時のこと。

お昼の休憩の時に、近くの公園で煙草を吸っていました。

すると、近くにあるお店から音楽が聞こえてきます。

しばらく耳を澄ましていると、それは言っちゃダメじゃん!的な歌詞の内容に思わず聞き入ります。

フロアーに戻って、そこにいた女性店員に『こんな曲、知ってる?』、とメロディーを鼻歌で尋ねました。

J-WALKの『何も言えなくて、夏』ですよ、と即回答が返ってきました。

そこで、帰りに買ったCDが『心の鐘を叩いてくれ』です。

ボギーになり切れなかった男の切なさのような、なんとも言えないカッコ悪さを感じたものです。

淡い期待にかかっていた梯子を、いとも簡単に外された虚無感のような。

 

 

昨日は、『トスカーナの休日』を観ていました。

人生は自分が思うようにはいかないものの、思いもよらない形で自分が思っていたことが叶うもの。

その時々で起こることに振り回されずに、気持ちはどうあれ前を向くことで幸運は必ずあとからついてくる。

そんな印象を受けました。

不思議なもので、その時の感覚や環境によって感じ方は大きく変わってきます。

それは、映画だけに限ったわけでもありません。

小説や音楽だって同じ。

若い頃は見向きもしなかった音楽を、今では愛聴することも多々あります。

 

人もそうですね。

その時々の気分で、受け取る気持ちが変わったりするものです。

 

私にも、そんなつもりじゃなかったのに、ということがありました。

送料がつくから、ホームセンターで買われたほうがよいですよ。

そのあと、そこのお客さんのところに伺った時、他社の伝票が伝票差しの一番上にありました。

あとで知ったのですが、ホームセンターに置いているものは、食品向けではないものだったのです。

大きな失敗をしました。

今では25年来のお客さんです。

新事務所を紹介してくれたのも、このお客さん。

半年後に同じ注文をもらった時は、嬉しくて嬉しくて、思わず『ありがとうございます』、と頭を下げました。

金額じゃないんですね。

やっぱり、気持ちです。

驕り、というものにしっかりと向き合わないといけない、と改めて痛感しました。

驕りは、知らず知らずのうちに心を蝕んでいくもの。

かの劉邦も、韓信の助力なしでも勝てると意気込み、大軍を率いて挑んだものの、ほとんどの兵を失うという大失態を招きます。

概ねそういうものですね。

勉強になることが、歴史には多いです。

 

ベストセラー小説の映像化。

成功した例のひとつだと思います。

懐かしのダイアン・レインが主演です。

いくつになっても綺麗な人ですね。

 

綺麗というと、真っ先に思い浮かべるのは竹久夢二の美人画です。

ダイアン・レインの魅力とは対極的な立ち位置ですが、若い頃から大好きです。

儚げな雰囲気が、咲いては散る桜に重なります。