朝、玄関を出ると、あたりは眩しいくらいの陽射しに照らされていました。

久し振りです。

メダカの鉢をのぞき込んでは餌をやり、車のエンジンキーをコンソールボックスの上に置いたまま暖機。

いつものルーティーンがリズムに乗ります。

 

会社に着いて、ドアの外に出た途端に、元気なすずめのさえずりに出迎えられました。

どんよりとした雲が覆っている時とは大違いです。

 

これからの楽しみのひとつ。

通勤時の小さな峠の桜のトンネルです。

桜の花は、気持ちを微かにざわつかせます。

いろいろなことを思い浮かべさせるからだと思います。

これは、去年の4月に撮ったもの。

 

 

昨年の盆休み、娘に若い頃の写真を見せてほしいと言われた時のこと。

やっぱり、ちょっとは自慢したいものです。

若い頃の景色を思い返しながら、何枚かのスナップを手に……。

そのうちのいくつかをケータイで撮って送りました。

はっきりとした輪郭は、もうそこには見つけられないものの、

あの頃の匂いのようなものを微かに嗅ぎ取ることはできます。

 

写真の横の看板には、小磯良平の文字が。

おそらくは、目黒あたりの美術館。

サッカーのジャケットにリネンのオフホワイトのパンツ。

おそらくは、足元はホワイトバックス。

社会人一年生の頃。

 

今では、いくつかの美術書をめくって見るくらいです。

スケッチでみせる

息吹を伝えるかのような細やかな線の使い方がなんとも好きでした。

以前、ブログでも紹介しましたが、ルノワールの『都会のダンス』がたまらなく好きです。

 

また、絵画館や美術館に足を向けたくなります。

陽射しが降り注ぐこんな素敵な日には、美術館の敷地内の小路を歩きながら、

脇にある白いベンチにでも腰掛けて、鳥のさえずりを枕にぼんやりしたいものです。

 

 

オイゲン・キケロというルーマニア出身のピアニスト。

『ロココ・ジャズ』、と『ロココ・ジャズⅡ』、というアルバムを持っています。

クラシックをジャズ的に演奏する、というコンセプトなのか、当時は珍しい存在でした。

モーツァルトの『キラキラ星』や『春へのあこがれ』を演奏している『ロココ・ジャズⅡ』、を時々聴きます。

スウィングジャーナル誌で紹介されていたように記憶しています。

ずいぶん前なので、もう廃盤になっているかもしれません。

今日みたいに暖かい日には、うってつけの一枚です。

そう思いながら、今、事務所でも流しています。