今朝も冷え込みはきつかったものの、空は青く晴れ渡っています。

斜めに差し込んでくる陽射しは、冷たい空気の中できらきらと乱反射を繰り返しています。

このぶんだと、明日はどこかのお寺あたりに出掛けてみるのもひとつですね。

燃えるような紅葉に出会えるかもしれません。

 

“いいこと”と、“そうでないこと”は比較的順番に顔を出してくれることが多い気がします。

でも、振り返ってみると、“そうでないこと”は、いつの間にか“いいこと”に綺麗に塗り替えられていることに気づきます。

そして、それらは多分に潤いを含んだ滋養となって皮膚へと沈着していきます。

 

今でも、お風呂に入る時なんかに、左ひざの変形している骨を眺めては懐かしんだりします。

意気込んで峠を走っていた時の事故。

冬の寒さが堪える夜。

高速を降りてから、しばらく続く鎌倉への峠道。

いつもなら2速まで落とすところを、その時に限って3速のままコーナーへ。

車体はアスファルトに叩きつけられるように転倒し、反対車線のガードレールまで滑っていきました。

車が来ないようにと仲間にヘッドライトを点灯してもらい、なんとか立ち上がることができました。

25歳くらいですかね。

もう、ずいぶん昔のことなのではっきりとは覚えていませんが、自意識の鼻っ柱を見事に折られた事故でした。

あの時も、仲間がいてくれてよかったと、寒さに震えながら感謝したものです。

帰り際、自販機の前で、財布に入れていた祖父からもらった善光寺のお守りをじっと眺めていたのを思い出します。

 

社会人としての階段をひとつずつ上るにしたがって、その高さに応じた免疫が少なからず身についてきます。

まだ、5合目あたりですかね……。

若干息苦しさを感じるようになったものの、まだまだ酸素濃度は充分保たれています。

自分なりにしていては、いつまでたっても行動半径は広がりを見せないもの。

好奇心は、どんな時でも興味を掻き立ててくれます。

人との縁を大切に、これからも“いいこと”を積み重ねていければ、と思います。

幾つになっても思考回路には、素敵な潤滑油を忘れないようにしたいですね。

 

颯爽と肩で風を切って、メインストリームを堂々と歩いている感じ。

人になんて言われようとも、自分の思った道を進む。

そんなカッコよさを、この演奏からは感じます。

ラッキー・トンプソンのテナーの音色に張りがあり、躍動感が漲っています。

メンバーの能力を最大限まで引き出せるマイルスの統率力には脱帽します。

マイルス・デイヴィス・オールスターズの『ウォーキン』です。