生きていると、多少の傷はつきものです。

車も、ショッピングセンターに止めておくと何かしらの傷がついてしまいます。

今年は、4回目ですね。

おそらくショッピングカートが擦れた跡です。

運転席側のドアからうしろへ続く悲しきヘアライン。

何かのバチだと気持ちを鎮め、陽気なマリアッチの音楽に不快な思いを洗い流します。

 

ひょっとして他人事ではないのかも、という思いがふと沸き起こります。

芸能人や一般の方の言い訳である、『怖くなって、逃げた』、という心理状態。

わからなくもない気がします。

まだ、そういう事例に遭遇したことがないので、今の私は正論しか持ち合わせていないものの、いざという時に自分はどんな行動を起こすのだろう、という一抹の不安さえ脳裏を過ります。

人は総じて自分が可愛いものです。

他を押しのけてまで自分を利する、という人を時々見かけます。

その人たちの背景には、どうやら妬みや嫉みが小さな渦を巻いているようです。

 

ただ、普段の何気ない日常が、この先も平穏無事に続いていくという幻想をそろそろ見直さないといけません。

公平や平等は、いつの間にか教科書の中だけに存在し、相手を貶めることは罪だと教える先生が、いじめをエスカレートさせた暴行に手を染めてしまう。

アクセルとブレーキの踏み間違えは、もはや罪ではなく社会現象の一つに過ぎない。

本当の意味でのモラルの重要性が、秒刻みの日常の中で少しずつ色褪せていくように思います。

どんな時もまっすぐに立っていられるように、いつでも小さな勇気を内ポケットに忍ばせていたいもの。

どんなことも自分が引き起こしている、という覚悟を持つことが最善の処方箋なのかもしれません。

そう思うと、生かされているという感謝の念が頭をもたげ、大抵のことはうまくいくように思います。

 

近くのショッピングセンターで、書道教室の生徒さん方の作品が展示してあります。

私の物も小さく場所を頂いているようです。

腕にレベルの差はあれど、書道教室の生徒という大きな範疇においては皆同じです。

 

少し早めに仕事を切り上げ、そのショッピングセンターに立ち寄ってみようか、と思います。

車に傷がつくリスクを、ぼんやりと考えながら……。

 

 

何が正しいのか、なんて探した頃、誰にでもあると思います。

また、本音と建前の狭間で辻褄を執拗なまでに探してみたり。

ストレートばかりでは、どうにも太刀打ちできませんね。

ジャブで様子を窺い、フックで意表を突く。

そんな高校生の頃の感覚を、懐かしく思い起こさせてくれる一枚です。

確か、高校生の頃ですね、尾崎がデビューしたのは。

大好きな曲です。

『遠い空』、4枚目のアルバム『街路樹』より。