今朝、起き抜けにリビングのカーテンを開け、小さな溜め息。

仄暗い窓の外。

季節の深まりとともに、陽射しも寝坊をしているようです。

朝夕の寒さを少しずつ肌で実感する今日この頃。

昨日は、久し振りに自転車で、いつものコーヒーショップに行ってきました。

 

地域に根差していた小さな商店が、シャッターを閉ざしてからずいぶんと年月が経ちました。

そして、その小さな商店を襲ったスーパーが、近々閉店するとのことです。

 

生産性があるような、ないような、そんなことの繰り返し。

振り回されるのは、いつだって地域の住民。

時として恩恵を受け、便宜に甘んじる。

 

どこでも、いつでも同じこと。

目先の利益に釣られて右往左往。

政治にまで発展すると、個人の力は遠く及ばなくなり、後味として空しさだけが苦みを漂わせては尾を引きます。

刹那的な享楽は必要なことではあるものの、矢継ぎ早に通り過ぎていく車窓から眺める景色とあまり変わらないのかもしれません。

 

どうやらまたひとつお店が灯りを消したようです。

年に一度か二度くらいしか訪れない喫茶店。

薄暗い店内にはジャズが流れ、内装には木の温もりが溢れていました。

時々、ジャズの演奏もされていたようで……。

アップライトのピアノが、テーブルの奥の壁にそっと寄り添うようにひっそりと佇んでいました。

 

ジャズを聴かせてくれる喫茶店、このあたりにはなくなりましたね。

私が高校生の頃、よく帰りに立ち寄った『ジャズ喫茶スィング』、というお店も『closed』の看板がかけられてからう30年も経ちました。

 

レコードのように、市民権を再び手にすることは非常に稀なことかもしれませんが……。

それでも、一過性の熱病と本質的には同じことなのかもしれません。

ラグビーの精神のようなものは、この先もずっと続いていってほしいものです。

 

 

50年代、60年代とハードバップあたりのメインストリームを駆け抜けてきたブルー・ミッチェル。

70年代に入り、これまでの足跡を掻き消すかのように、大きく流れをシフトしていきます。

イギリスでのブルースの先駆者的立場のジョン・メイオールがハーモニカで参加したアルバム、『ブルーズ・ブルース』。

1曲目から、単純なコードでグルーヴに熱を絡ませていきます。

カッコよくてたまらない1枚です。

こんなふうに演奏できればいいな、と思いながらよく聴く1枚でもあります。