どんなことにも共通することがあります。

それは、全体をとらえるか、そのものだけを捉えるかによって、見方や感じ方が変わることです。

それらは、意識を惑わしがちなことでもあります。

 

『それ、いいな』、って思ったことが、『え、そこまで含むの?』ってこと。

いろんな解釈のしかたがあるにしても、判断する上ではけっこう難しいもの。

 

仕事をする上でもプライベートな繋がりの中でも同じですね。

相手のニーズに対して的確に応えようと思うと、案外深いところまで考えていないといけません。

 

地域で行われる数々のイベントなんかでも、同じようなことを感じます。

主催者側と客側の思惑の温度差のようなもの。

ある程度の許容範囲内というものは無料という条件下。

料金が発生する場合は、誰もが慎重になるものです。

楽しいのかな?

美味しいのかな?

そんな微かな不安が、ドキドキ感を漂わせます。

 

スコット・ハミルトンというテナー奏者がいます。

70年代からオーソドックスなテナーで、激動の時代のジャズ・シーンを彩った人です。

私の好きなテナー・マンの一人ですが、彼はオリジナルをほとんど演奏しません。

曲の表情に温もりを与え、ずっしりと気持ちに響く演奏をします。

客観的視点をもった方のように思います。

安心感と緊張感が絶妙に織りなす演奏に、心から酔ってしまいます。

 

ふと、『クリフサイド』のことが頭をもたげます。

いったいどんなところなんだろう?、ってね。

『ミスター・ヤマザキ』のような人、ってどんなかんじかな?、と……。

そんな場所で、粋にジルバを踊ってみたいものです。

 

スコット・ハミルトンのライブ。

このCDは、ジャズ・ファンでなくとも心にしっとりと寄り添ってくれること間違いなしです。

今の季節にはぴったりですね。