今朝は、朝からリビングにまで微かにセミの声が入り込んできています。
梅雨も明け、夏本番です。
真っ青な海と空が、とても眩しく感じる季節へと突入です。
熱を孕んだ空気は感情を煽り立て、身体から理性を一枚ずつ剥がし去っていきます。
セミ取りに夢中になっていた子供の頃や、恋に胸を焦がした若い頃は、夏の陽射しは待ち遠しくて仕方がなかったはずのに、いつ頃からか勘弁して欲しくなりました。
メラメラと燃え立っていた炎の燃料が、知らず知らずのうちに枯渇していったのかもしれません。
それでもなお、30代半ばまでは、微かに導火線は湿っていたのを覚えています。
感覚が180度変わることって、そうそうないものです。
人間の本質が変わってしまったのか、と少し不安な気持ちにさせますね。
手術をして、早ひと月が経ちました。
喫煙のせいもあってか、回復がかなり遅いようです。
苦悩と内省を繰り返す鬱屈した日々の中でも、一歩足を踏み出すことで気持ちはずいぶんと変わります。
いい事も、あるものですね。
怪我の功名というか、嬉しい誤算です。
人との繋がりは、気持ちを弾ませ、その瞬間に気持ちをふわっと舞い上がらせてくれます。
結局は、そこに帰結するのかもしれません。
従業員も、ごく自然に気遣ってくれますし、またいくらかの責任感も出てきました。
先日あげたGショックは、どうやら彼に気に入られた様子で、毎日彼の左り腕を飾っています。
なんでも彼の好きなラッパーと同じモデルとのことです。
人の気持ちは、推し測ることはできても明確に捉えることはできません。
どれだけ寄り添うことができるか、が大切なキーのような気がします。
アンテナを張って、ニーズをキャッチし、タイミングを見計らいながら提案していく。
そうすれば、相手との距離も縮んでいくもの。
そんな仕事の話を、笑顔を交えながら、この先もずっとしていきたいものです。
そうしていくうちに、会社を譲る日も、そう長くは掛からないような気もします。
明日の月曜日、病院の予約が入っています。
いつごろ治るのか、待ち遠しくて仕方がありません。
先生に、尋ねてみようと思います。
そろそろ動かさないと……。
イグニッション・キーを差し込み、セルを回す。
少しずつスロットルを開けては、エンジンの回転数を徐々に上げていく。
どんなことも、順を追っていかないと……。
でも、もうそろそろ動きたい、というのが本音ではありますが……。
『JUST FRIENDS』というジャズのスタンダード・ナンバーがあります。
いろいろあったけど、友達のまま、のような、取りようによっては意味深な歌詞です。
『アメリカン・グラフィティ』の中でも、主人公のカーとが別れた彼女とバック・シートでキスをするシーンがあります。
これを、ジャズという大きくて深い流れの中に身を置いてきたビル・クロウたちの演奏は、懐古的な雰囲気を残しながらも新たな息吹を感じさせます。
暑い日に、エアコンの効いた部屋で、コーヒーを飲みながら聴くのがいいかもしれません。
是非、どうぞ。
ビル・クロウ・カルテットで、アルバム『さよならバードランド』より。
『ジャスト・フレンズ』。

