昨日から降り続いていた雨も、ようやく小康状態です。
でも、風が強く、通勤途中の道路には、普段見ないようなものが散乱していました。
季節の変わり目、特に冬から春にかけては、何が起こるかわからないもの。
春の風に誘われるように、様々なものが新たな一歩を踏み出していきます。
その時々に聴く音楽を聴きながら、登場人物や取り巻く状況を想像しては心の中で小さく笑います。
前にもブログの中で、『赤いスポーツカーに乗った女』のことを書いたことがあります。
あれは、マット・ビアンコの『アンダーカヴァー』という曲を紹介した時でした。
“潜入捜査”、それだけでストーリーが動き出します。
仕事柄、様々な立場の方とお会いする機会があり、それぞれの方の葛藤や焦燥を小耳に挟んだりします。
表面上はまったく問題のない方でも、心に大きな不安を隠し持っていたり……。
突然の出来事で、これまで考えたことのない選択肢が目の前に現れることがあります。
不可抗力によってもたらされた産物は、捉え方によって良くも悪くもその後の舵の取り方に大きく影響を与えるもの。
何が潜んでいるかわからない大海原であればあるほど、好奇心に満ちた勇気を与えてくれます。
今の生活に不満があるわけではない。
ただ、時折不確かな空虚さが影となって足元にまとわりつく。
それは、遠い記憶に似ているのだが、色彩や輪郭は曖昧でうまく捉えることができない。
いつのまにか自分がこしらえた虚像や幻影かもしれない。
今、新しい風はほろ苦さを引き連れながらも、封印していた思いを鮮やかに解き放つ。
新しい1ページとして……。
You never smile girl, you never speak
You just walk on by, darlin', week after week
Raising two kids alone in this mixed up world
Must be a lonely life for a working girl
君はまったく笑わないし、誰とも口を利かない
君はただ、毎日通りすぎていくだけ
この混沌とした世の中で
働きながら、二人の子供を育てる……
きっと厳しい生活なんだね
スプリングスティーンの『I wanna marry you』の歌詞の一部です。
高校生の頃、リアルタイムでレコードを何度もよく聴きました。
『sherry darlin'』と同じくらい好きです。
歌詞の意味が深い気がします。
アルバム『ザ・リヴァー』より。

