先日、取引先に行ったときのことです。
ちょうど社長がいらっしゃったので、
「2カ月も過ぎたのに、まだ来ないんですよ」、と寂しくて軽くぼやいてしまいました。
その社長は、英語での手紙の添削をして頂いている方です。
すると、「アメリカなんで、12月、1月は忙しいんじゃないですか?」、と笑顔で応えてくれました。
「そうですか、ではキリン気分で待つしかないですかね」、と苦笑いです。
すると、次の日の昨日、金曜日に、アメリカのペンパルから手紙が届きました。
嬉しくて嬉しくて、シャガールの絵のように、宙に浮かんだ気分に包まれます。
I'm glad to ......、と文字が心を温めてくれます。
私のダメなところのひとつです。
相手の事情を考えているようで、その実、自分の物差しを当てはめてしまっているところがあります。
忘れもしません、28歳のときのことです。
女友達と車で夜の町をドライブ。
よく一緒に遊んでは、色々と話もでき、ある意味信頼できる女友達。
「あの娘とは、どう? うまくいってるの?」、と……。
「わりと、うまくいってる」
「すぐ焦る癖があるけど、絶対焦っちゃ、だめだよ」
そんなことを言われたのを覚えています。
そのときと同じ失敗を、この歳でもやらかしてしまったような気持ちです。
不安が焦燥感を煽り、理性をぐらぐらと揺さぶります。
わかっているのに、コントロールできない自分がいます。
そして、もどかしく思う気持ちに、より一層の拍車がかかります。
鋭利な刃物でえぐるような心の痛みは、時間の経過とともに薄れていき、潮騒のような淡い想い出に姿を変えていきます。
しかし、突然、忘れかけていた熱情が訪れ、その空気に瞬間的に触れたとき、学んだはずの教訓は、はるか彼方へと吹き飛ばされてしまいます。
前後左右の距離感さえ掴めずに、おろおろするばかりです。
失って、再度自分の愚かさに気づく。
いつまでたっても成長しない自分に、翻弄されっぱなしです。
| Fill my heart with song and let me sing forever more. | |||||
| You are all I long for, all I worship and adore. | |||||
| In other words, please be true. | |||||
| in other words, I love you. | |||||
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』の歌詞の一部です。
英語で歌わない分、余計に想像力を掻き立ててくれます。
キャロル・ウェルスマンでアルバム『ジャーニー』より。

