今日は、昨日とは打って変わっての朝から雨模様です。

 

いくぶん気持ちを表しているようで、カーテンを開けては妙にしんみりとします。

 

どうしようもない焦燥感は、的確に気持ちをコントロールすることさえ忘れがちに……。

 

 

昨日は、午後の3時30分からのサックスのレッスンを、急遽変更の連絡を入れ、午後6時に。

 

あまりの天気のよさに、どうしてもバイクを走らせたくなり、またここのところよく行くようになった海辺の喫茶店へ。

 

仲良くさせて頂いている美容院のオーナーのお勧めの場所です。

 

オムライスが昔ながらの2センチ角くらいの鶏肉が入っています。

 

ソースはトマト・ピューレとデミを混ぜたようなものに刻んだたまねぎが入っています。

 

素人なので、微妙に違うかもしれませんが……。

 

そして、そこのコーヒーは格別です。

 

香りが深く、匂いを嗅ぐだけで豊かな気持ちにさせてくれます。

そういうちょっとしたことを拾い上げては、小さなしあわせを感じることができるようになったのは、過ごしてきた年月の長さのおかげですかね。

 

若い頃のとどまることのない熱量と引き換えに、静まり返った水面のような感覚を手にしたのかもしれません。

 

――あれは君の誕生日で 雨さえ降り出してた

僕はまた タクシーを拾おうと駆け出してた

手を上げても止まらない夕暮れどき

少し風をひいてた 君がきがかり

レインコートを肩からかぶせて 抱きしめた

 

あの店はまだあるよ 古びたガラス窓で

ためらいがちな君を 無理やりドアの中へ

鈍く光る 棚の隅で見つけ出した模造真珠の指輪

君の細い指 するりと抜けて笑った小さな贈りもの

 

友達から聞いてきた流行のそのレストラン

満員で断られ 途方にくれた僕に

「歩きましょう」と からませた指と指に

あの頃はいつでも ふたりの愛が優しく往ったり来たり

若い日の想い出――

 

『タクシーと指輪とレストラン』という曲の歌詞の一部です。

今聴いても、気持ちを柔らかな香りと色彩で和ませてくれます。

金子國義さんのエキセントリックな絵に安井かずみさんの温かい詩、その世界観を表現する穏やかな加藤和彦さんの歌声。

高校生の頃、ジャケットのあまりのカッコよさに、レコード店で思わず手にした一枚です。

いつか、金子國義さんの絵を見に行ってみたく思います。

皆さん、亡くなられています。私の若い頃を彩ってくれた方々です。

アルバム『あの頃、マリー・ローランサン』