あまりにも管理社会が行き過ぎると、それは没個性へとつながっていくもの。

 

よく、ルールは破るためにある、と言ったものです。

 

中学生の頃、学ランの丈が少し長くても目立ちます。

 

カラーの下から赤いハイネックのカットソーをのぞかせるのを粋な感じに思っていました。

 

少しだけ、みんなと違うことをすることが個性的のように感じていた頃です。

 

 

表面上の個性には違いないのですが、メッキよりも軽い塗装です。

 

なにかの拍子にすぐに剥げてしまいます。

 

自分が傷がつかないように最善の注意を払い、自分を優先することで心の均衡を保ちます。

 

 

基礎の上に土台を載せ、柱を立てます。

 

 

個性って、見た目のものさしではないはず……。

 

 

同じ銘柄の香水を使用しても、同じ匂いを放つとは限りません。

 

演奏や社交ダンスも、相手によってぐっと変わります。

 

目には見えない内面に触れたとき、今までに感じたことのない魅力に惹かれてしまいます。

 

 

派手な話題や突拍子もないニュースが報じられる中、距離を置いて見てしまう自分にほんの少しの苦笑い……。

 

 

最近は、事務所では多岐川裕美さんの『酸っぱい経験』のアルバムをローテーションしています。

若い頃は、いろいろな刺激をもらったものです。

カッと火花を散らすような衝撃や、発熱を伴う胸の痛みにもがいていた頃。

そんなシーンを優しく思い出させてくれます。